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東日本大震災復興支援 第246報
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「被災した子どもたちに、笑顔と心あたたまるクリスマスを届けたい」。2011年、そんな想いのもとに、様々な分野で活躍するクリエーターやデザイナー、美大生が、企業や大学の垣根を越えて始めたユニセフ「祈りのツリー」プロジェクト。
過去3年間で3,000人を超える方々が子どもたちへの想いを込めてデザインしたオーナメント(クリスマスツリーの飾り)は、有楽町・銀座はじめ東京都内や東北地方各所に誕生した「祈りのビッグツリー」を彩りました。中でも、気仙沼の方々が、「あの日を忘れない」という思いと再建への強い決意で、復興屋台村「気仙沼横丁」に建てられた高さ8mの“きずなの塔”を彩ったツリーは、壊滅的な被害を受け暗闇に包まれてしまった気仙沼港周辺の市街地で光り輝き、ユニセフ「祈りのツリー」プロジェクトの中でも、シンボル的存在になりました。
4回目となるユニセフ「祈りのツリー」プロジェクトは、「気仙沼横丁」の開設3周年を記念するイベントの一つとして実施。さらに今年は、これまでクリエーターやデザイナー、美大生の方々がプレゼントしてきたツリーを飾るオーナメントの制作を、子どもたち約350人にバトンタッチ。気仙沼市内の学童保育クラブや児童館、児童福祉施設などを通じて、子どもたちの夢や祈り、願いが込められた色とりどりのオーナメントが集まりました。
この日のために、北海道や東京、京都、佐賀などから駆け付けたボランティアと、神奈川県ユニセフ協会のみなさんによって、ツリーの設営準備が行われました。
ツリー設営の前日は、子どもたちの思いが込められた大切なオーナメントを、屋外でも雨に濡れないように一つずつ透明なカプセルに詰めていきます。中には毎年参加されているボランティアさんもおり、慣れた手つきで次々と作業が進んでいきます。カプセル詰めの作業が終わった後は、場所を気仙沼横丁に移し、翌日の資材の準備。ロープの確認や飾りつけをするアーチの組み立てを終える頃には、すっかり日も暮れていました。
11月23日、点灯式当日。朝方降っていた雨はすっかり止み、青空のもと、ツリーの設営作業が始まりました。子どもたちがすぐに自分のオーナメントを見つけられるように、と作られた設計図をもとに、約350個のオーナメントが全て飾り付けられました。
午後からは、プレ企画として、プロジェクトに参加してくれた子どもたちに配布した仮想通貨「HOYA」で買い物ができる駄菓子屋も登場。あふれんばかりの子どもたちが、気仙沼横丁に集まり始めました。
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夜空に星が輝き始めた頃、いよいよ点灯の瞬間がやってきました。子どもたちはツリーに灯りがともる瞬間を今か今かと待ちわびています。 「みんなで一緒に声をそろえて始めましょう!」の声でカウントダウン。「5、4、3、2、1…ゼロ!」
「わあーっ!!」という子どもたちの歓声に、鳴り響く鐘の音。
「あかりを見ているとほっとする」
こう話す子どもたちの笑顔と願いが込められたオーナメントを、青色のツリーの光がやさしく照らしていました。
「3年前、真っ暗な気仙沼の町に灯った復興屋台村の赤い提灯。そしてその次に、多くの方々に支えられたツリーに光が灯った瞬間を今も忘れることはできません。気仙沼の人たちに大きな勇気と希望を与えてくれたあの光を、絶やすことなく灯し続けてくださることに感謝の気持ちでいっぱいです」と話してくださった復興屋台村の若生裕俊代表理事。
ツリーの光が、たくさんの子どもたちに笑顔を届けてくれるように、また、この祈りのツリープロジェクトが、東北の子どもたちの幸せについて、改めて考えていただくきっかけになることを願っています。
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気仙沼「祈りのビッグツリー」
展示期間:2014年11月23日(日)午後5時〜12月27日(土)午前0時(予定)
ツリー点灯時間: 午後4時30分〜午前0時(予定)
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■過去のビッグツリーのレポートはこちら。