メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

子どもポルノの実態・・・

現在 200万を超える子どもたちが、子ども買春や子どもポルノを含む商業的性的搾取の被害に巻き込まれているといわれてます。(「世界子供白書2005」 より)なかでも子どもポルノの被害は深刻化し、子どもの性的虐待画像を含むウェブサイトは激増しています。

国際ECPATとバンコクポストの調べ(2002年)によると、2001年の段階で子どもポルノのサイト数は10万サイト存在していましたが、英国の国家犯罪情報サービス(National Criminal Intelligence Service in the UK)は、2003年には2倍の20万サイトにまで増加したと発表しました。
一方、アメリカのNGO団体NCMEC(全米行方不明・被搾取児童センター)は、2001年に2万4,400サイト、2006年初期までに34万サイトまで増加したと報告しています。

被害にあった子どもたちを蝕み続ける子どもポルノ

性的搾取の被害を受けた子どもたちはみな、身体的な苦痛やトラウマに悩まされ、情緒不安、うつ、怒りなどさまざまな症状を訴えます。また、罪の意識に苛まれて自分を責め、自傷行為に走ることもあります。

しかし、サイバースペースで性的搾取の被害を受けた子どもたちは、さらに別の苦しみに耐えなければなりません。子どもたちは、屈辱的な虐待画像の存在自体が、彼らが受けた恐ろしい暴力行為の真相をあいまいにしてしまうことを危惧しています。子どもたちは、カメラの前では微笑むように強制されるため、まるで彼らが共謀して子どもポルノを製作したように見えてしまうことを恐れています。そして、誰にも自分たちの苦痛をわかってもらえないのではないかと思い込み、実際に虐待画像が存在しているのも関わらず、虐待行為があったことを否定します。また、事実を受け入れることができず、すべてを否定しようとして真実を打ち明けることを拒否する子どもたちもいます。これは、子どもたちの心に計り知れないほど大きな負担となってのしかかります。

さらに虐待画像は、一旦サイバースペースに流出してしまうと、何度もコピーされ、全世界の人に繰り返し見られる可能性があり、そのたびに被害者は「虐待」を受け続けることになります。子どもたちは、搾取を受けた瞬間からずっとおびえて暮らさなければならず、就職、結婚や出産といった将来の希望さえ奪われてしまいます。

子どもたちが子どもポルノ犯罪に巻き込まれる要因

子どもたちが子どもポルノ犯罪に巻き込まれる要因はさまざまです。

たとえば直接的な加害者として、買春のあっせん者や小児性愛者(ペドファイル)、観光客などが挙げられます。

しかし、実際は特定の加害者だけではなく、社会的要因や状況(貧困等)が子どもたちを子どもポルノ犯罪に 追いこんでいるのです。

クモの巣モデル
 

これらは一見すると別問題のようですが、実は複雑に絡み合っています。

この「クモの巣モデル」は、文字通りクモの巣を模写し、それぞれ子どもポルノ犯罪にかかわる個人・集団・状況を示しています。 これらの加害要因が相互に関わりあうことによって、子どもたちは巣の奥深くに捉えられ、脱出できないでいるのです。

しかし、外部からの助けがあれば、子どもはクモの巣から逃れることができます。 たとえば子どもの行動の変化に気づいたおとなが、虐待の事実を通報することで、加害者を捕まえ、子どもたちを救う事ができるのです。

 
被害を訴えられない子どもたち

子どもポルノの被害は、そのほとんどが家族や親戚などの身近な関係にある人からの性的搾取によって起こっています。この場合、警察の犯罪捜査で見つけることは難しく、近隣住民の通報やソーシャルワーカーなどのカウンセリングで被害が明るみになることがあります。

また、家庭以外でも多くの子どもたちが子どもポルノの被害にあっています。ストリート・チルドレンと呼ばれる一日のほとんどを路上ですごす子どもたちや、子ども買春や人身売買の被害にあった子どもたちが子どもポルノに巻き込まれる可能性はとくに高くなっています。また児童養護施設からも連れてこられるケースもあります。

旅行者による子ども買春によって子どもポルノに巻き込まれるケース ネパール

旅行者から性的虐待を受けた子どもたちに対する調査の結果、ほとんどの子どもたちが虐待の最中に裸の写真を取られたと回答。また、81%の子どもたちが、旅行者からポルノ画像を見せられたと答えた。

チェコ

福祉関係者が調査したところ、路上で子ども買春などの性産業に巻き込まれている子どもたちは、買春客や性的搾取の加害者から、ポルノ画像を撮影するためにポーズをとるよう要求されていた。これらの画像は、加害者同士で取引され、被害者である子どもたちの居場所の情報もまた、インターネット上で流された。

人身売買によって子どもポルノに巻き込まれるケース モルドバ

2001年、モルドバの国境警察が2人の女を人身売買の容疑で逮捕した。女らは、子どもの虐待画像の撮影のため、13歳から16歳までの少年少女を、モルドバの首都キシナウからウクライナのオデッサ州にある映画製作スタジオへ移送する途中だった。

被害者の子どもたちは主にモルドバの地方に住む経済的に困難な家庭から連れてこられ、中には子どもたちの親が子どもを「休暇」に連れて行くことを承知していた。また、今回保護された子どもたちの中には、以前にも小額の金品と引き換えにスタジオへ行き、虐待画像を撮られたことのある子どもも含まれていた。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る