2016年より東部・南部アフリカ地域を中心にエルニーニョをはじめとする干ばつによって支援を必要としている子どもたちを支援するための「アフリカ干ばつ危機緊急募金」は2019年2月18日をもって終了し、干ばつだけでなく紛争や人道危機を背景とする栄養危機に対応するため、「アフリカ栄養危機緊急募金」として新たに開設します。皆さまのご支援により、これまで7億7,990万円もの浄財をおよせいただき、アンゴラ、エチオピア、ジンバブエ、スーダン、ソマリア、ナイジェリア、マラウイ、マダガスカル、マリ、 南スーダン、モーリタニアの子どもたちに支援を届けることができました。
しかしながら、現在も西部・中部アフリカ地域ではサヘル地域を中心に栄養危機が広がっており多くの子ども達が急性栄養不良に陥っています。ユニセフは目前に迫る危機を食い止め、多くの幼い命を守るために、「アフリカ栄養危機緊急募金」を通じて、取り組んでまいります。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
アフリカ栄養危機緊急募金はこちらをご覧ください。
©SOYA
ソマリアで栄養治療食を手にするアリ君(2歳)。母親のマリアンさんは5人の子どもがおり、アリ君の健康状態がわるくても病院に連れて行く交通費もありませんでした。ユニセフとパートナー団体が脆弱な地域や家庭を中心に個別家庭訪問を行い、栄養不良と診断したことで、アリ君は治療をうけることができました。マリアンさんは母親が乳幼児への食事作りの研修にも参加し、退院後の栄養管理について学びました。
ソマリアでは2017年、27万人の急性栄養不良の子どもに栄養治療食を提供しました。
©UNICEF South Sudan/2018/Ryeng
南スーダンのマンデイ君は130万人と推定される急性栄養不良の子どもの一人です。深刻な食糧不足、拡大する人道危機によって南スーダンは独立以来、最大の栄養危機に直面しています。
2018年ユニセフは8万7,000人に治療を提供しました。
アフリカの子どもたちの栄養状態はかつてないほどの危機に直面しています。
コンゴ民主共和国では420万人の子どもが全急性栄養不良の危険があるとされており、2018年時点で、1280万人が深刻な食糧不安に陥る危険があるとされています。食糧不安の人口の数は2017年から1.3倍にまで急速に膨れ上がっています。
モーリタニアでは干ばつ、例年より少ない降水量によって13万人の子どもが栄養治療を必要としています。
干ばつや気候変動だけでなく、長引く紛争やそれに伴う避難によって国内で食糧の生産が出来ずに食料不足に陥り、栄養不良の子どもの数は増え続けています。
アフリカの子どもたちは、紛争、自然災害、政治的不安定、貧弱な社会基盤など、危機的状況下で常に命の危機に直面しています。日本ユニセフ協会では引続き、アフリカ栄養危機緊急募金をよびかけています。みなさまのあたたかいご支援をよろしくお願い申し上げます。
© UNICEF/UN011690/NYAMANHINDIジンバブエの保健所で上腕メジャーをつかって栄養状態のチェックを受ける子ども