ユニセフは国際連合児童基金(こくさいれんごうじどうききん)といい、世界中の子どもたちのために活動する国際連合の中のひとつの機関です。
つまり…
国際連合というのは、世界各国の代表が集まって、地球上のいろいろなもんだい、たとえば、さまざまな争い、貧困、環境破壊、人口増加、経済のもんだい、保健のもんだい…などを解決しようとしたり、おたがいに協力できることを話し合う場です。
その中で、世界の子どもたちが直面しているもんだいにとりくんでいるのがユニセフです。ユニセフの活動はみなさんからのぼきんなどによって支えられています。
平和のしるしであるオリーブの葉にかこまれた地球の上で、子どもが高くだきあげられています。このマークには世界中すべての子どもたちが、心もからだも健康にそだち、よりよい世界をつくる力になっていってほしいという願いがこめられているのです。
ユニセフがつくられたのは、第2次世界大戦が終わったあと、1946年のことです。そのころ世界では、戦争のために親や家をなくして、きびしいくらしをしなければならない子どもたちがたくさんいました。
その子どもたちを、戦争に勝った国も負けた国も関係なく(国際)、すぐに(緊急)、助けようとしたのがユニセフです。
というわけで、ユニセフのはじめの名前は「国際連合国際児童緊急基金(こくさいれんごうこくさいじどうきんきゅうききん)」、英語で
United Nations
国際連合 International
国際 Children's
児童 Emergency
緊急 Fund
基金
といいました。その頭文字をつなげてみると UNICEF(ユニセフ)になりますね。
その後、ユニセフは緊急のしごとだけでなく、世界中すべての子どもたちの命と健康をまもり、子どもたちがもってうまれた能力をじゅうぶんにのばしていけるように、政府や地域の人びとと協力して計画を立てて活動するようになりました。
そこで、1953年に、名前をいまの「国際連合児童基金」(United Nations Children's Fund)と変えましたが、ユニセフというよび名はとても親しまれていたので、そのまま使われているのです。
ユニセフがうまれてから50周年を迎えた1996年、ユニセフの使命が文章になって示されました。この中にユニセフはどのような役割をになって活動するのかが書かれています。
ユニセフの使命
- ユニセフは、子どもの権利を守り、子どもがもってうまれた能力をじゅうぶんに発揮できるチャンスを広げるために活動する国際連合の機関です。
- ユニセフは、「子どもの権利条約」にもとづいて活動し、この条約がひろく子どもに対する行動の基礎となるように努力します。
- ユニセフは、子どもの生存、保護、発達が、人類の進歩にとって欠かせないものだと考えます。
- ユニセフは、各国の政府などにはたらきかけ、「子ども最優先」が実現するように支援します。
- ユニセフは、もっとも困難な状況にある子どもたちが特別の保護を受けられるようにします。
- ユニセフは、緊急事態にすばやく対応して、子どもを守ります。
- ユニセフは、中立の機関で、もっとも支援を必要としている子どもを優先的に援助します。
- ユニセフは、女性と女の子が男性と同じ権利を得られるように支援します。
- ユニセフは、国際社会の平和と調和のある発展をめざします。
現在ユニセフは、約190の国と地域で活動しています。
青くぬられているところは、ユニセフが支援プログラムを展開している途上国など150以上の国と地域です。それ以外にも、33の国と地域に国内委員会(ユニセフ協会)があります。
ユニセフの本部はアメリカ合衆国のニューヨークにあります。また、支援のための物資(活動に使われるさまざまな物)を調達したり、保管したりするセンターがデンマークの首都コペンハーゲンに、子どもに関わることがらを研究するセンターがイタリアのフィレンツェにあります。
ユニセフではたらいている職員の数はおよそ15,000人。そのうち85%は、支援プログラムの現場となっている開発途上国の事務所ではたらいています。