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財団法人日本ユニセフ協会

出張検診サービスで、小さな命を守る【2008年8月1日 アンゴラ・アンドゥロ発】

フェルナンダ・ングエヴェさん(38歳)にとって病院や診療所を訪れるのは大変なことです。

一番近くの診療所でさえ、7キロ以上の距離があり小さな子どもたちを抱えて長い道のりを歩かなければならないからです。村の多くの女性たちにとっても負担です。

妊娠中のフェルナンダさんは、病院までの長い道のりを歩くことよりも、出張定期健診を受けることにしました。

出張定期健診とは、ユニセフの研修を受けた保健員が診療所や病院などへアクセスが困難な村まで訪ね、出産前の検診や栄養などの指導を行うというものです。

フェルナンダさんの最初の子どもは生後1週間で亡くなってしまいました。新生児破傷風でした。出張定期健診のサービスがなく、適切な保健ケアが整っていなかったからです。妊娠中に3回ワクチンを接種すれば、避けられたはずの病気です。しかし、当時はフェルナンダさんにそうした指導をしてくれる人は誰もいなかったのです。

アンゴラでは、出産時の介助方法の訓練を受けた保健員の介助なしでの自宅出産が、当たり前に行われています。しかし、現在では、アンゴラ保健省の努力によって、多くの女性が家から近くの場所で、出産前の定期健診を受けられるようになりました。

ユニセフが支援する出張検診サービス

©UNICEF Angola/2008

子どもたちと共に定期健診を受けに来たフェルナンダさん。出張定期健診チームは、一ヶ月に一度、ワクチンや薬、蚊帳などを持って村を訪れ、子どもと妊産婦の保健についてアドバイスを提供する。

ユニセフは、保健当局と協力しながら、アンゴラの18州の内、ビエ、モシコ、ウィラ、クネネ、ルアンダの5つの州で政府を支援しています。支援内容は、保健施設を訪れてモニタリングをすると共に、技術面、財政面、教育面での支援をすることまで幅広く行っています。

新しいプログラムを通して、妊産婦たちは、地元の保健センターや出張検診サービスで、包括的な支援を受けています。
マラリアに対する予防治療を始め、鉄分やヨウ酸といった栄養素の補給、寄生虫予防、破傷風対策ワクチンの接種、またHIVに関する任意のカウンセリングやHIV感染検査の機会も含まれています。

どう?健康に育ってる?

保健員たちは、赤ちゃんは生まれて半年間は母乳だけで健康に育つこと、そのためにはお母さんが栄養に気をつけることなど、アドバイスします。
また、赤ちゃんの身体の異変を見逃すことのないよう、危険な兆候の見分け方についても助言します。新生児には、結核やポリオに対する予防接種が施されます。

また、すべてのお母さんと子どもをマラリアから守るために、殺虫処理された蚊帳が配られます。

かけがえのない命を守るために

子どもを失うという悲しみ・・・・。
フェルナンダさんだけでなく、この国の多くの女性がこの悲しみを経験しています。

でも今では、月に1度、保健員の支援チームがワクチンや薬や、蚊帳などを持って村を訪れ、妊産婦や小さな子どものお母さんに、母子ともに健康でいるためのアドバイスを提供してくれるようになりました。

ユニセフが支援するこの出張支援サービスプログラムは、出産前検診を受けられなかった多くの女性たちに、安価なコストで効果の高い基礎保健ケアを提供することを目的としています。
このサービスにより、アンゴラの女性たちの安全な妊娠・出産、そして子どもたちの健康が増進されることでしょう。

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