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財団法人日本ユニセフ協会

お母さんのお腹の中にいるとき

お母さんの健康は、赤ちゃんの命
お母さんのお腹に中にいる間、赤ちゃん(胎児)はお母さんから栄養をもらって育ちます。
妊娠2ヶ月目には、脳や脊髄、心臓などが形成され、妊娠3ヶ月目には筋肉や骨なども成長。
妊娠4ヶ月になると心臓や肝臓などの内臓ができあがります。五感が発達するのは妊娠5ヶ月目から。
脳神経の発達もこの頃から活発になります。これだけ重要な段階を踏んで赤ちゃんは母体に守られながら生まれてきます。しかし、お母さんが栄養不良や、長時間の労働で過労になると、赤ちゃんが順調に育つことができません。
このような場合、早産になったり、赤ちゃんが低体重で生まれたりして、その後の発達が阻害され、命を落とすリスクが高まります。お母さんの命も危機にさらされるのです。
【図1】【図2】に示されているように、妊産婦と新生児の死亡はアフリカとアジアに集中しています
妊産婦死亡の95%、新生児死亡の90%はこの二つの地域によって占められています。

妊産婦死亡率、1990年と2005年(出生10万人あたりの妊産婦死亡率)
出生1,000人あたりの新生児死亡数、2004年

生まれて1ヶ月

誕生—赤ちゃんの命が最も危険にさらされるとき
アンゴラに生まれたスザナは、産声をあげることができませんでした。小さな胸で呼吸をしようとするのですが、どうしても最初の息ができませんでした。でも、お母さんはわが子を抱きしめることしかできません。

女性が産気づき、近くに保健センターや病院がない場合、女性は自宅出産することになります。
その際も、女性に助産師など、介助してくれる人がいればまだ安心です。でも、途上国ではこうした介助もないままに出産する妊産婦が4人にひとり。病院などの保健施設で出産する人はかろうじて50%を越えるにとどまっています。

生まれた子どもが一番命を失いやすいのは出生後間もない時期です。
現在、5歳の誕生日を迎える前に亡くなる子どもはおよそ880万人。そのうち約37%(およそ320万人)の子どもが新生児(出生後28日以内)です。主な死亡原因は敗血症や肺炎などの感染症や早産などですが、これらはほとんどの場合、予防や治療が可能なものです。

出典 世界子供白書2006
1歳未満の子どもが死亡する主な原因

1歳の誕生日

最初の1年を生き抜く難しさ
女性が無事に赤ちゃんを出産しても、途上国の女性、そして赤ちゃんは決して安心できません。
慣れない外界との順応・闘いが始まるからです。
パキスタンのアリは生後6ヶ月。栄養不良のうえ、汚れた水を飲んで下痢になり、死の淵をさまよっています。 安全な水を確保できない、マラリアが蔓延しているなど、死につながりかねないあらゆる要因が横たわっているからです。
赤ちゃんが健康に育ち、教育を受け、大人になっていく・・・。
生きるために生まれた命を、守り育てていくためには、お母さんのお腹にいるときからの継続的な支援が必要です。母親自身のことはもちろん、赤ちゃんの育て方についてのアドバイスなどを提供するためです。赤ちゃんには同時に新生児ケアが提供されはじめます。
赤ちゃんが丈夫に育つためのアドバイスや処置が提供されます。

Photos:©UNICEF/MENA03732/Giacomo Pirozzi, ©UNICEF/NYHQ2006-2781/Bruno Brioni, ©UNICEF/NYHQ2001-0143/Giacomo Pirozzi, ©UNICEF/NYHQ1992-0385/Roger LeMoyne

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