HIVに感染してエイズを発病するまでには5〜10年ほどかかります。発病するまでは、普通の人と同じように生活できますが、発病すると、免疫システムが壊されてしまうため、細菌や病原菌、カビなどによって、健康な人ならかからないような病気になってしまったり、悪性のガンができてしまったりします。開発途上国ではHIV/エイズは恥ずべきこととして隠されていることが多く、結核で亡くなったなどと言うことが多いようです。実際、エイズを発病した人の多くが、最後は様々な感染症を直接の原因として亡くなっています。
エイズを完全に治療する方法はまだ見つかっていません。しかし、発病を遅らせることのできる薬は開発されています。ですが、開発途上国の人びとにとって、こうした薬は非常に高価で、ほとんど手に入りません。貧しく、栄養や衛生状態も悪いので、先進工業国の患者よりも発病するのが早く、発病してからも十分な治療やケアを受けることができず、多くの人びとが耐えがたい苦しみの中で、早くに命を失っています。子どもたちはその苦しみを目撃し、何とか看病を続けながら、最後には親を失っていくという状況にあります。 |