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雨風にも負けない新しい校舎ができました

雨風にも負けない新しい校舎ができました

日本からの支援で建設された3つの教室が入る新しい校舎

ブルキナファソ東部地方の町ファダにある「第1C区小学校」には10の教室があり、21人の教員のもとで、662人の子どもたちが(男子339人、女子323人)が学んでいます。

教室の中には、日本の皆さまからのご支援により、ユニセフが新たに建設した3つの教室が入る校舎が含まれています。 校舎が建設されたことで、過密した教室内で子どもたちが授業を受けていた状況が解消され、子どたちも教員も大きな安心感を得ることができました。

「学校に通い始めたときは、教室は藁ぶきで、雨風にさらされていました。雨が降ると授業は中断され、みんな家に走って帰りました。今はとてもきれいな教室で、素敵な机といすを使って授業を受けることができて、とても嬉しいです」と6年生のアリスさんは(12歳)は喜んでいます。

第1C区小学校に通う12歳の女の子アリスさん

ほかの同級生と同様に、アリスさんも小学1年生の時からから厳しい教育環境の中で学んできました。毎年、雨季のために約5か月間、学校の授業が中断されていたのです。第1C区小学校は、開校当初から、藁ぶきの教室しかなく、児童のための給水設備やトイレもありませんでした。藁ぶきの教室は、雨や風などの悪天候の影響を強く受けます。「教室の屋根は雨季の後、使い物にならなくなるため、毎年藁を交換しなければならず、保護者会が藁の購入費用を負担していました。雨季の影響で新学期の開始が遅くなり、また、早く終了しなくてはなりませんでした」と保護者会会長のロンポ氏は当時を振り返ります。

教室では、子どもたちが過密状態で授業を受けていて、一つの机を6人で使ったり、埃っぽい床に直接座ったりしていました。 子どもたちは、教師が黒板に書いた内容に集中することも難しい状況でした。「集中するのは簡単ではなかったけど、みんな精いっぱいやっていました」と、アリスさんは言います。さらに大変だったのは、暑い季節になると、蛇が日陰を求めて藁ぶきの教室に入り込むことでした。 ちょっとでも蛇の気配がするとパニックになり、もはや授業に集中することができなくなりました。

第1C区小学校セルジュ・ヨウグバレ校長

日本の皆さまからのご支援により、3つの教室が入る校舎が建てられ、机や椅子、教員用のデスクなどを新しくそろえることができました。さらに、校内に男女別のトイレも作ることができました。

セルジュ・ヨウグバレ校長によると、新しい校舎は非常に意義があるもので、地域の人々から大変感謝されていいます。児童の出席率も大きく改善されたほか、教員たちの職場環境も良くなりました。第1C区小学校は、高い評価を得る学校のひとつとなり、以前は、59点だった学校の評価点が、新しい校舎が建設されてからは73点に向上しました。このことは、地域における学校の印象をさらによくすることにもつながりました。

増加した児童に対応するために建てられた藁ぶきの教室で学ぶ子どもたち

ブルキナファソ東部地方では、近隣地域が武装組織によって襲撃された2017年以降、学校に通う児童数が増加しています。安全を求めて避難してきた家族の子どもたちを受け入れているためです。第1C区小学校に新しく建てられた校舎の横にも、増加した児童を受け入れるために、改良された藁ぶきの教室が建てられました。「662名の児童のほか、国内避難民として避難してきた358人の児童を受け入れています。危機的な状況になる前に、教室を早急に増やす必要があります。平和を待っていたのでは、子どもたちの教育は間に合いません」と校長先生は決意を新たにします。

また、「スクール・フォー・アフリカ」を通じた日本の皆さまからのご寄付により、ユニセフは中等教育や就学前教育のための施設建設も進めています。これらの施設にはトイレと給水場が設置されています。

新しく建設された中学校の校舎(左)と就学前教育の園舎(右)

子どもたちが質の高い教育を受けられるように、ユニセフは、ブルキナファソ政府が行っている新しい「子どもにやさしい学校」モデルの開発を支援しています。第1C区小学校では、男女別のトイレが設置された新しい校舎にこの「子どもにやさしい学校」モデルを導入しています。「子どもにやさしい学校」モデルは、学校の設備、教員の研修、学校運営、子どもたちの課外活動などを標準化し、子どもたちの学び、健康、安全を改善・向上させることを目的としています。

2014年以降、日本の皆さまからのご寄付による「スクール・フォー・アフリカ」により、2,008校の小学校で「子どもにやさしい学校」モデルが導入され、これはブルキナファソの全小学校の13%に相当します。さらに、50校以上の校舎を建設することによって、サヘル、中北部、中央大地、東部地方の460,560人の子どもたち(222,935人の女子)に質の高い教育を提供し、より良い学習環境を整えることに貢献しています。

(2021年12月更新) 写真クレジット:©UNICEF/Burkina Faso