マリア・グッスレさんはモザンビークのナンプラ市郊外で育ちました。父親はモザンビーク鉄道のかじ職人で、母親は家政婦として働いていました。
マリアさんの子ども時代は、近所の他の子どもたちと変わらないものでした。内戦中のモザンビークで育った彼女は、友達と一緒に歩いて学校に通っていました。小学生の時は、家事を手伝ったり、他の子どもたちと一緒に道端で遊んだりしていました。
内戦を経験し、教員の道へ
19歳になったマリアさんは、兵役により招集されました。軍事訓練を受け、国連平和維持活動によって武力解除された1994年まで軍に従事していました。内戦中も彼女はいつも、子どもたちに夢を与えることを望んでおり、教員であればそれができると信じていました。
1998年、教員になるために20日間の教員研修の集中コースを受講し、翌年、教員としてのキャリアをスタートさせました。いくつかの学校で教鞭をとり、大勢の子どもたちの読み書きの第一歩を手助けしました。マリアさんは、特に女の子が自分を教員以上の存在として見てくれていることを感じていました。子どもたちの目が "大きくなったら、先生のようになりたい "と語っているようだったのです。そこで、もっと子どもたちを導けるように、教員としての知識と指導力を高めようと決意しました。
遠隔教育による教員研修の参加
マリアさんは順調に教員としての経験を積み上げて行きましたが、子どもたちの「教育」と「学習」のバランスを保つこと、授業計画や内容の組み立て方、保護者とのコミュニケーションの取り方、教育施設の運営など、教育学の技術的な知識が足りていないと感じていました。そして、2005年12月にモナポ地区の小学校で初めて行われた教員のための遠隔教育に参加することを決めました。すべての課程を修了するのに2年かかりましたが、コースに参加した参加者のモチベーションの高さは、彼女の記憶に強く残っています。30人の参加者の全員が全課程を修了し、8割を超える参加者が学校の管理職として現在も活躍しています。マリアさんも教育施設の管理職として、学校での施策が生徒たちに変化をもたらしていること、特に女子生徒に未来のリーダーになるように刺激を与えられていることを実感しています。
教員の可能性を広げる
教員研修の質を向上するため、ユニセフは、教育省が実施する現職の教員を対象とした遠隔教育による研修の支援を行っています。2018年には、ユニセフは国立研究所とパートナーシップを結び、教員養成大学や選定された学校で行われている遠隔教育による教員研修の内容を充実化させ、設備を改善しました。