「研修を通じて、学校が抱えている問題を解決するための、多くの情報やスキルを得ることができ、とてもよかったと思います」とレイモンド副校長は語りました。2,000人の子どもが通い18人の先生が在籍するムゼ小学校(モザンビーク、ナンプラ州リバウエ区)の副校長であるレイモンド氏は、日本の皆さまからのご寄付で実現した、学校運営についての研修を受講したひとりです。
レイモンド副校長は、研修で学んだことを活かして、同校が抱えていた最大の課題である、早婚による女の子の退学について取り組みました。「研修で学んだ参加型マネジメントを応用して、問題解決に取り組みました。学校評議会や学校運営者と連携し、退学した女の子たちを復学させる方法を検討しました」。学校全体を巻き込んで、具体的にどのような対策が必要なのかを議論した結果、退学した女の子の家庭を訪問することを決めました。「私たちは、結婚で学校を退学した女の子の両親や家族に会い、彼女たちが学校で学び続けることができるよう説得しました」。この試みは、希望に満ちた結果をもたらしました。「1カ月後には、退学した女の子7人のうち、4人を復学させることができ、彼女たちは現在も学校に通っています」と誇らしげに話してくれました。
また、研修は、学校運営の効率化にも役立っています。レポートや試験用紙などを手書きで作成していたため、 これまでは手間と時間がかかっていました。「報告書を書いたり、書類を整理したり、たくさんの時間が必要でした。情報通信技術(ICT)の研修を受講したおかげで、試験用紙や証明書などをパソコンで作成できるようになりました」。
レイモンド副校長は、研修について、「受講者がお互いの知識を共有し、学び合うことができました。研修は、理論と実践の両方に重点を置いています。受講者に課せられた課題は、学校で実際に直面している問題を基に、解決策を導きだすために、改善計画を作成することでした」と話してくれました。
ユニセフは、今後も学校運営の研修を支援し、より多くの学校の管理職の能力を高め、強化していく予定です。研修は、学校の管理職が、子どもたちの学習環境を改善するために、学校が直面している課題について、自らで取り組む力をつけることを目的としています。