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3人の子どもたちのストーリー

3人の子どもたちのストーリー

シアカのストーリー

ブルキナファソでは、小学校を卒業できず教育を受けられなかった農村部の若者たちは、ごく限られた職業しか選択できません。農村部に残って牧畜や農業の仕事に従事するか、仕事を求めて都市部や近隣国へ出て、行商人や他家の使用人になるかです。ユニセフは、教育の機会を逃してしまった若者たちが将来の選択肢を広げられるように、職業訓練校を支援しています。学校では、フランス語の読み書きや算数を学ぶことに加え、機械、洋裁、溶接、大工、織物、石工の6つのコースから子どもたち自らが選択し、職業訓練を受けることができます。

家の手伝いをしていたために、小学校に通うことができなったシアカも16歳でこの職業訓練校に通い始めました。

シアカ ~16歳~ 
職業訓練校1年生

今年、職業訓練校の洋裁コースに入学しました。この学校が大好きです。一番好きなのは洋裁が学べることです。僕には夢があります。仕立屋として成功し、最高のスーツを作り、有名になって、たくさんの人に喜んでもらえるような大きなお店を持ちたいのです。

僕は11歳まで、家の手伝いで家畜の世話をしていたので、小学校に通えませんでした。その後、町に住む叔母さんの家に移りました。叔母さんは僕を夜間学校に通わせてくれましたが、昼間は時間を持て余していました。そこで、叔母さんに洋裁を習いたいと頼み、叔母さんがよく洋服を持ち込んでいた仕立屋で働くことになりました。それからの4年間、僕は毎日働きました。朝、家事を手伝い、朝ごはんを食べると、お店に行き18時まで働きました。その後、家に帰り、シャワーを浴びて夜間学校に通っていました。

3カ月前、僕はソコロニ村に戻ってきました。お父さんから村に職業訓練校ができたという知らせを聞いたからです。学校では、フランス語と洋裁を勉強していますが、それ以外のこともたくさん勉強しています。僕たちは、畜産、保健、栄養について、それに環境に関する本を読みました。僕たちは演劇の授業も受けるし、学校にある菜園の手入れもします。僕の将来に必ず役に立つ実用的な知識や技術を学んでいるのです。

学校に行かないときには家の手伝いをします。庭掃除や、野菜畑の収穫を手伝ったりします。弟たちの家畜の世話も手伝います。今は弟が家畜係です。
家畜の世話は大変です。もしかしたら学校に行くのよりずっと大変です。それなのに将来の見通しは立ちません。僕くらいの年ごろで自分の村から遠く離れたところで働くためや、家畜の世話をするために学校を中退した子もいます。できることなら、そういった子どもたちにもっと長い目で将来を考えてほしいとアドバイスしたいです。学校をやめてしまったら何も残りません。結局、何もないスタート地点に戻るだけなのです。でも学校に行って学べば、将来が見通せるようになるし、家族を助けることもできるのです。

シアカの一日

動画をご覧いただけます

シアカその後
~19歳~ 
職業訓練校3年生

シアカは、職業訓練校で最終学年である3年目を迎えました。1年目の課程では、「理論」を学ぶ時間や手縫いの練習に費やす時間が多かったのですが、3年目は、多くの時間が実技に割かれるようになりました。「最近の授業では実技に重点を置いています。シャツとズボンは、身体の採寸から最後の仕上げまで、自分一人でできるようになりました。自分の興味がある分野でたくさんの知識を得ることができて、嬉しいです。」

洋裁コースは、13人中男の子は4人しかいませんが、シアカは女の子の中で学ぶことにためらいはありません。むしろ、女の子より男の子のほうが、ファッションセンスがあることを証明するんだとはりきっています。シアカを指導するロジーヌ先生は、「シアカは、授業に遅れずに出席しています。これは、彼が洋裁を学ぶことが好きな証拠です。彼はとてもまじめで、実技を習得するのがとても早いのです」と話してくれました。

そして、自宅に小さな仕立屋を開くことができ、村の祭りで着用する衣装の仕立てをまかされるまでになりました。シアカは、両親に頼らずに、自立できるまでになったのです。「シアカは8人兄弟の長男で、私の誇りです。彼は、早い段階で自分の将来についての希望を持っていました。私は、息子に自分が選んだ道は最後まで貫くように応援してきました。」(シアカの父、イサ・ディアロさん)

動画をご覧いただけます

シアカからのメッセージ
(職業訓練校卒業後)

写真クレジット:©UNICEF/Burkina Faso