日本ユニセフ協会 緊急支援活動計画
2011年4月26日現在
【2011年4月26日】
<実施主体> 公益財団法人 日本ユニセフ協会
<主要協力機関・団体>
ユニセフ(国連児童基金)、各県ユニセフ協会、被災地各自治体(災害対策本部、教育委員会等)、被災地各県生活協同組合、同連合会等ユニセフ協力団体、協力企業、国内専門家団体、被災地のコミュニティ、市民団体、ボランティア
<4月25日現在の暫定予算額>
20億円
※本暫定予算額は、2011年3月14日から当面の間として、9月30日までをカバーするものです。10月以降の事業計画は進捗とニーズの変化を踏まえて別途策定します。
日本ユニセフ協会は、2011年3月14日に、「東日本大震災緊急募金」の受付を開始するとともに、当座の活動資金として、国内事業費から準備した1億円を元に、協力企業による寄贈や購入協力による飲料水や子ども用の肌着などの緊急支援物資を、被災地の地方自治体、生協やパートナー団体などの協力を得て岩手、宮城、福島などで避難生活を送られている被災者の方々に提供しました。また、この活動に並行して、(1)妊娠・授乳中の女性や乳幼児に対する医療保健・栄養面での支援、(2)被災した子どもたちの「心のケア」の拡充、及び(3)新学期を迎える小・中学生に対する学用品の支給を含めた教育支援(バック・トゥ・スクール)などを、国内の専門家団体などと連携して、展開してまいりました。
支援活動の基本方針・現状と予算の配分予定額※
(※被災地行政サービス側のニーズにより、今後変更の可能性もあります)
被災地では、復興に向けた活動が徐々に始まっていますが、自らも被災者である各地方自治体は、その本来の機能を取り戻すに至っていません。
こうした現状に鑑み、日本ユニセフ協会では、①子どもたちの教育支援、②お母さんと赤ちゃんの保健・栄養支援、③子どもの保護支援の3つの分野において、被災地の行政サービス機能の回復のための支援を行うとともに、被災地の子どもたちの状況が、被災以前よりも良い状態になること(build back better)を目指して、直接支援活動を続けてまいります。
1) 緊急救援物資の提供(段階的に縮小中)
3月14日からの緊急支援活動開始当初より、岩手・宮城・福島各県の災害対策本部をはじめとする協力団体と協力・連携し、被災された方々(県外避難者などを含む)が必要としているミネラルウォーター、子ども用肌着、衣服、靴などの救援物資を提供しました。これらの救援物資の中には、協力企業からの寄贈品も多く含まれ、また震災直後の市場の混乱の中での低価格での物資の迅速な確保や調達、輸送手段の確保の面にわたる多くの企業の協力、そして被災地での生協による各避難所への迅速・確実な配送があって実現したものです。関係各位に、改めて御礼申し上げます。
実施予算額:150,000,000円
(4月20日までの実施額 72,412,273円)
2) 教育支援-バック・トゥ・スクール(学校へ戻ろう)キャンペーン
宮城・岩手両県の被災地の子どもたちが、順次始まっている新学期に学校生活に戻る事ができるよう、2万人を超える子どもたちに当座必要な文房具など(1セットあたり約2,000円)の学用品を、また、パソコンやプリンターなど先生方が必要とする器具類、学校活動再開に必要な机・椅子などの備品についても100校を超える小中学校に提供しています。さらに、キャンペーンの第2弾として、被災地の小学生約1万人を対象に、今後学校生活をおくる上で必要な体操着や絵の具、習字道具セットなどの学用品(1セットあたり平均約20,000円)についても、被災地の子どもたちが個々のニーズで購入できるように「クーポン券」の形を通じるなどの方法で提供できるよう、準備を進めています。
小中高校に較べて支援が限られている幼稚園や、特に保育園、保育所、学童保育などの活動再開に向けては、同様の支援(「バック・トゥ・幼稚園」幼稚園へ戻ろうキャンペーン)を展開。食器や家具、知育玩具などの個別のニーズに対応する他、地域のモデルになるような子どもたちが安心して生活できるような環境や施設を持った「子どもに優しい幼稚園・保育園」の建設の支援も準備しています。
実施予算額:800,000,000円
(4月20日までの実施額 82,610,427円)
3) 子どもたちの栄養改善支援
被災地の子どもたちの間の栄養問題の改善のため、これまでに、宮城県内で、サプリメント食品などの企業からの現物寄付を活用し緊急対策を実施しました。今後も、子どもたちの間に栄養の偏りなどによる問題が生じないよう、栄養実態調査への支援や、学校給食の完全復旧など、予防に重点を置いた支援を実施する予定です。
実施予算額:625,000,000円
4) お母さんと赤ちゃんの保健・栄養支援
宮城・岩手両県の災害対策本部に対する技術支援や、地域の病院、診療所、保健所などに、巡回診療用車両35台を提供。医療施設・制度が壊滅的な被害を受けた地域で、母乳育児の促進を含めた産前産後の検診や子どもたちの予防接種などが可能な限り定期的に実施されるよう、国内の専門家団体と連携。常時20名を超える医師や看護師などが、宮城、岩手、福島各県で活動し、高度な医療支援を必要とするお母さんや赤ちゃんの照会制度の確立も行っています。
実施予算額:230,000,000円
(4月20日までの実施額 125,923,220円)
5) 子どもの心理ケアと保護
全国のみなさまから寄贈いただいた絵本や児童書、紙芝居などで作る『ちっちゃな図書館』を、被災地の子どもたちのケアを実践されている施設などに提供しています。東京と神奈川のボランティアの方々によって仕訳け・梱包された図書は、これまでに、避難所や保育園、幼稚園など約200箇所に、約10万冊が送られました。宮城県気仙沼市では、全ての市立小学校と幼稚園に送られ、同県女川町では、今回の震災で準備が止まってしまった同町の絵本だけを集めた図書館=「まちの絵本館」(仮称)構想の実現に向け、『ちっちゃな図書館』から約8,000冊の絵本をお送りする予定です。また、子どもたちの屋外での活動を制限されている福島県内の施設からも、沢山のお申し込みを頂戴しています。さらに、岩手、宮城、福島県などの直接的な被害を受けた地域のみならず、こうした地域から避難された方々を受け入れられている県・地域の施設などからもご要望が寄せられており、順次発送作業を進めています。
子どもたちの心のケアのためには、各地の教育・福祉関係当局ならびに市民団体、地域のボランティアの方々と連携し、「箱の中の幼稚園」や「レクリエーションキット」を被災地で配布し、子どもたちが安心できる場所=「子どもにやさしい空間 (Child-Friendly Space)」を設置。子どもたちに、子どもたちの“仕事”とも言える「遊び」や「スポーツ」の機会を提供するとともに、ボランティアや先生方、お母さん・お父さん方に「遊びを通じた心のケア」に関する研修の機会を提供。これまでに100名を超える方々への研修を実施。研修の機会をより多くの方々に提供するためのトレーナー研修や、「心のケア」の要点をまとめたフライヤーの制作・配付などを行っています。
今回の震災によって親を失ったり、以前から経済的に困窮している、または障がいを持っている被災した子どもたちへの、包括的な社会保護の拡充(例:里親制度の強化など)や、子どもたちへの虐待予防など、長期的な支援なども視野に入れた活動をしていきます。
実施予算額:195,000,000円
(4月20日までの実施額 23,686,508円)
<会計報告について>
「東日本大震災緊急募金」については、一般のユニセフ募金とは別に本ホームページ上で会計報告を行ってまいります。また内容については、内部監査に加え、日本公認会計士協会が協力して透明性を高めることになっています。
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