子ども買春の実態

子ども買春の実態

被害者のはなし
ケース1ケース1 15歳少女

【ケニア(モンバサ)】

アニーは、ケニアのモンバサにほど近い沿岸部の小さな町「ムトゥワパ」の貧困層の出身です。彼女は食費や家賃などを支払ってくれる両親、そして、アニーが小学校8年生※のときに妊娠した11ヶ月になる娘とともに住んでいます。

アニーは子どもを妊娠したときのことを次のように振り返ります。

「両親は私を落ちこぼれのように扱い始めました。私が何かを与えてくれるように頼むと、娘の父親を見つけて必要なものの全てを買ってもらうように言うのです。家族はいつも、私が小学生のときに彼らを失望させたことを思い起こさせるのです」

家族には話していませんが、アニーは娘を育てるため、一日の大半を、相手となる男性を探して歩いています。「客となる男性のほとんどはケニア人です」とアニーは話し、客は彼女との性交渉のために3ドルから8ドル支払うと付け加えました。

彼女はときどき、通常の3倍の料金を支払う観光客と性交渉を持ちます。「相手となる観光客を見つけることは簡単ではありません。観光客の多いビーチには、警察が常にパトロールを行っていて捕まえられる可能性があるために行くことができないからです」と彼女は話します。

ムトゥワパの多くの他の10代のように、現金を得るために性交渉をすることを、アニーは彼女の仲間たちから、「男性とセックスをするだけで簡単にお金を稼ぐことができる」と教えられました。

※ケニアの教育制度は初等教育(8年)、高等教育(4年)、大学(4年)の8-4-4制。

【ユニセフ(国連児童基金)HPより】

ケース216歳少年
僕は、浜辺でビーチ・チェアを貸し出す仕事をしています。稼ぎのほとんどは家族に渡しています。ときどき旅行者は僕に、お金と引き換えに性的関係を求め、また、食事やビールをご馳走してくれます。僕は、もしこのことが家族に知れたら、家族が怒ることはよくわかっています。また、性交渉によるHIV/エイズの感染を恐れています。それでも、自分自身が自由に使えるお金が欲しいので、観光客と性的関係を持ちます。
ケース39歳少女
私の家は貧しいため、叔父といっしょに旅行者に花を売る仕事をしています。私は毎日、決まった額を稼がなければならず、もしその額を達成できない場合は叔父に叩かれ、さらに、観光客と性的関係を持ってお金を稼ぐことを求められます。
ケース413歳少女
私は、家族と住んでいた村から、国のリゾート地として人気の高い場所まで連れていかれました。私はその地で家に閉じ込められ、外に出ることを許されませんでした。ある日、数人の男性が来て、私に性的関係を強要しました。私はその家で、一度もお金を見たことがありませんでしたが、家のオーナーが男性たちからお金を受け取っていることを知っていました。
加害者のはなし
ケース1男性X
私は、少年と性的関係を持つことを好み、それは正しいことだと思っています。しかし同時に、自国で逮捕されることを恐れていました。私は、自分と同じ性嗜好を持つ人々とネット上で交流し、警察に逮捕される心配がなく子どもと性的関係を持つにはどの国のどの場所がよいか、また、もしも警察に捕まった場合はどこに賄賂を支払えば逮捕を逃れることができるかなどといった情報交換をしています。
ケース240歳女性
私は、過去に離婚歴のある40歳の女性です。先日、旅行で初めてアフリカのとある国を訪れ、滞在中、宿泊しているホテルのウェイターをしている17歳の少年と性的関係を持ちました。少年との性的関係が、自分を若返らせ、また魅力的になったような楽しい気分になり、私は少年にお金を渡しました。貧しいアフリカの少年を助けているように思いました。

※子ども買春の加害者の多くは男性ですが、女性が加害者となる場合もあります。

【Young Person’s Guide to Combating Child-Sex Tourism. ECPAT International. Bangkok. 2008より】


『子どもの権利を買わないで 〜プンとミーチャのものがたり〜』


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