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フィリピン:子どもポルノ、性的搾取根絶への努力[2008年11月17日 フィリピン]
フィリピンの首都マニラ南東部マカティにあるショッピングモールで、子どもポルノ摘発を目的とした捜査が始まりました。押収された数千枚の海賊版DVDを調べているのは、子どもの権利のために立ち上がっているマドリガル上院議員です。 ほどなく、彼女は探しているものをみつけました。 「この女の子は4歳ぐらい。この子は8歳くらいでしょうか。2人が性的行為に及んでいるDVDのようです」マドリガルさんは、DVDのジャケットを見ながら話します。「子どもたちは、このように性の道具として扱われているのです。この子どもたちは、性的な商品として扱われています。子どもの年齢が低ければ低いほど、売れるのです。」 子どもポルノに対する法整備の必要性子どもポルノを防ぐための特定の法律がないフィリピンでは、子どもポルノを簡単に入手することができます。 他の組織や取締り機関と共に、マドリガルさんは、子どもポルノの問題に対処するための法整備を進めるよう働きかけています。この動きは、国内の他のパートナー機関とも協力して、子どもポルノから子どもたちを守るために活動しているユニセフのサポートを受けています。 そのパートナー機関のひとつがNGO(非政府機関)のShare a Child Movement (子どものための運動に参加しよう)という団体です。この団体は、貧しく厳しい状態にある子どもたちが、貧困と搾取から逃れられるよう教育の機会を子どもたちに提供しています。 このパートナー機関の創設者で専務理事のニーナ・バレンゾナさんは、「ここには、若者たちが主導する組織があるんですが、彼らは、子どもたちがあらゆる形態の虐待と暴力から身を守れるよう、そのリスクなどについて子どもたちに教えているんです」と言います。 同じ年代の子どもたちが経験を分かち合う
フィリピン中央部にあるセブ島の学校では、革新的なピア・エデュケーション(同年齢の人たちによる子ども・若者たちへの教育)というプロジェクトが採り入れられています。このプロジェクトにより、若者たちは自分たちが直面する危険性について、同年代の若者たちから知識を教わることができるのです。 「おとなたちが相手だと、子どもたちは、恥ずかしがって自分たちの経験を話さないことがあります。でも、子どもたちが相手ならば話しやすいですよね。」子どもの権利の唱道者のひとりマリアン・アンガナさんは説明します。 最終的に、これらのプロジェクトは、例えば子どもポルノのように、子どもを性的搾取するようなものを非合法化するのが目的です。そして、フィリピンの全ての子どもたちがより安全な環境のもとで暮らせるようにしようとしているのです。 |