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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民
コックスバザールに隔離治療センター開設 COVID-19患者の治療体制を強化

【2020年8月31日  ダッカ(バングラデシュ)発】

ユニセフ(国連児童基金)は、バングラデシュ下痢性疾患研究国際センター(icddr,b:International Centre for Diarrhoeal Disease Research, Bangladesh)とのパートナーシップのもと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を、バングラデシュ人の住民とロヒンギャ難民の両コミュニティから受け入れて救急診療を行えるよう、コックスバザール地区の Teknaf Upazila に設置された200 床の隔離治療センターを支援しています。

感染予防・管理、症例管理、データシステム関連の強化を支援

ロヒンギャ難民の2歳の女の子と父親。(2020年7月5日撮影)

© UNICEF/UNI360602/Lateef

ロヒンギャ難民の2歳の女の子と父親。(2020年7月5日撮影)

重症急性呼吸器感染症隔離治療センター(SARI ITC)は、オーストラリア、ドイツ、スウェーデンなどの欧米諸国と世界銀行からの財政支援を受け、ユニセフとの協力のもと、icddr,bが管理します。

「世界的に見ても、COVID-19の感染者数は増加の一途をたどっています。ユニセフは、バングラデシュ政府や開発パートナーと緊密に連携し、国レベル、地方レベルの両方でこの前例のない課題に対応しています」と、ユニセフ・バングラデシュ事務所代表の穂積智夫は述べました。

ユニセフは保健家族福祉省と協力し、特にCOVID-19に関する感染予防・管理、症例管理、データシステム関連の強化を支援しています。また、コックスバザールで暮らす人々のためだけでなく、全国的なCOVID-19の予防と治療を支援するために、重要な医療機器や物資を調達しています。

「地方自治体は、ユニセフやicddr,bと手を携えて、命を守るために活動しています。COVID-19の隔離治療センターは大きな前進です」とコックスバザールの行政長官(Deputy Commissioner)カマル・ホサイン(Kamal Hossain)氏は述べました。

ロヒンギャ難民と地域コミュニティの両方にサービスを提供

この治療センターは、Teknaf Upazilaで暮らすバングラデシュ人の住民とロヒンギャ難民の両方の重症患者にCOVID-19の診断と酸素療法を含む治療を提供します。24時間体制で運営され、医師、看護師、患者のケアをする介護係、検査技師、薬剤師、清掃員を含む300人以上の高度な訓練を受けた献身的な最前線のスタッフがサービスを提供します。人口呼吸器を必要とする重症患者には初期治療を提供し、その後、地区病院の集中治療施設に引き継ぎます。センターには廃棄物を安全に処分するために焼却炉が設置され、さらに、COVID-19の蔓延を防ぐための啓発プログラムも実施される予定です。

「コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプは人口密度が非常に高いため、COVID-19の流行に対して最も脆弱な場所の一つであることに変わりはありません。このセンターは、バングラデシュとロヒンギャの両方のコミュニティに不可欠な支援を提供できる場となるでしょう」とコックスバザールのMahbub Alam Talukder難民救援帰還委員会長官は期待を寄せています。

コックスバザール地区での COVID-19対応は、公衆衛生局(Civil Surgeon’s Office)とWHO(世界保健機関)のリーダーシップのもと、保健セクターが主導しています。

人道支援活動をする機関や団体は、ロヒンギャ難民と地域コミュニティとの両方にサービスを提供するため、コックスバザール地区に合計17のSARI ITCを設置すべくバングラデシュ政府と緊密な協力を続けています。SARI ITC は、ユニセフを含む国連機関や国際NGOが支援し運営を行っており、すでに13カ所が稼働しています。

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