サントメ・プリンシペ:「抗レトロウィルス剤イニシアティブ」がエイズ患者に希望をもたらす
【2006年5月8日、ニューヨーク発】
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©UNICEF/2006/Page |
ブラジル保健省は、ユニセフの協力により、エイズとともに生きる子どもとおとなのための抗レトロウィルス剤をサントメプリンシペを含む6カ国に配布している。 |
ユニセフ、国連エイズ合同計画(UNAIDS)、ブラジル政府とその他のパートナー国7カ国が共同で立ち上げた新イニシアティブ。このイニシアティブのもと、サントメプリンシペは、抗レトロウィルス剤治療を必要とするすべての人々に対して提供しつつあります。
この『ブラジル+7』イニシアティブの目的は、妊娠中の女性や若者に対するHIV/エイズの予防や治療、ケアを拡大すること、また、イニシアティブの協力国7カ国(サントメプリンシペ、ボリビア、パラグアイ、カボヴェルデ、ギニアビサウ、東ティモール、ニカラグア)で、エイズともに生きるすべての人が抗レトロウィルス剤治療を受けられるようにすることです。また、母子感染予防のための医療サービスを必要とするすべての女性が利用できるようにすることも、主要目標の1つとして掲げています。
元気を取り戻すために
サントメプリンシペの首都サントメに暮らすマリアは、抗レトロウィルス剤治療によって体力も気力も回復しました。薬を飲み始める前は具合が悪く、働くこともできずに死も覚悟していました。しかし、薬を飲み始めてから10カ月後には回復し、今では人生に対して前向きになりました。
「HIV検査を受けることは大切だし、そして何より、効果のある治療薬があるということを知る必要があるわ。私は毎日薬を飲みつづけているけれど、身体だけでなく、心の面でも大きな変化があったの。痛みが和らぎ、体重も体力も戻ってきて、内面も強くなったと実感しているわ」
すっかり元気を取り戻したマリアは今、以前から続けていた洋服屋さんを再開し、生活費を自分で稼ぐようになりました。
パートナーシップが生んだイニシアティブの成功
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©UNICEF Brazil/2005/Bonacini |
サントメプリンシペにて、抗レトロウィルス剤の容器を持つマリア。薬のおかげでマリアは健康を取り戻した。 |
『ブラジル+7』イニシアティブのパートナー国では、たくさんの人たちがマリアのように必要な治療を受けられるようになりました。ギニアビサウでは、抗レトロウィルス剤治療が初めて提供されるようになり、パラグアイでは、治療を受ける人の数が200パーセント近く増えました。さらに、サントメプリンシペでは、同国で初めて、HIVの母子感染予防のためのプログラムを立ち上げることができました。
イニシアティブの成功には、関係各国の協力とパートナーシップが欠かせません。力を合わせて活動することにより、各国で、治療、カウンセリング、検査プログラムを拡大することができました。とくに、性感染症とエイズに関するブラジル国家プログラムは、パートナー国への抗レトロウィルス剤治療の普及と専門技術・知識の提供という2つの面で、重要な役割を担ってきました。
「『ブラジル+7』イニシアティブは、各国が協力して活動を推し進めるにあたっての新たな方策を指し示しています」ユニセフの米州・カリブ海諸国地域事務所代表、ニルズ・カストバーグ氏は述べました。「『抗レトロウィルス剤治療イニシアティブ』は、子どもや妊娠中の女性など、最近まで国家プログラムの対象外に置かれていた人々にまで幅広く行き渡りつつあるのです」
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