メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

アフガニスタン: 日本の援助で「1000の教室」が完成

【2013年5月13日 アフガニスタン発】

ムルサル・トゥラさん(21歳)は、ビジネスの世界での成功を夢見ています。彼女の関心は、服飾業界。家族も応援しています。いつかアフガニスタンの第一線で活躍するような人物になりたいと思っています。彼女の将来は輝いています。でも、今、大学に通うムルサルさんには、高校生の頃の良い思い出がほとんどありません。「校庭もトイレもない学校でした。教室も貧弱で。何よりも重要なことは、学校に行きたいという気持ちがしなかったことです」。カブール市内の母校、ラビア・バルキ高校を久しぶりに訪ねたこの日、ムルサルさんは、こう話してくれました。

「今のこの学校の姿を見てみてください。緑や木陰が、至るところに見えるでしょう。学校の設備は一通り整備され、科学実験室や図書室まであります。安全と女の子のプライバシーを守る防護壁も設置されています。真新しい教室は、広々としていて風が吹き抜けるようになっているんです。生徒が遊んだり走ったりする様子をどこでも見ることができて、とても嬉しいです。学校で、女の子たちは自由に遊ぶことができます。女の子にとって、新たな始まりです。数年前に私がここで勉強していたときとはまるで違います」

今月7日、カブール市内で、学校建設支援事業の完了を祝う式典が開催されました。

高橋博史駐アフガニスタン・イスラム共和国特命全権大使氏も臨席した式典では、ユニセフ・アフガニスタン事務所のピーター・クローリー代表が、ファロオク・ワルダク教育大臣に、2009年からカブールに建設された51校の学校のリストを手渡し、支援事業の完了を祝いました。

© UNICEF/AFGA2012-00073/Froutan

この支援プロジェクトは、日本政府の提案を受けてアフガニスタン教育省が実施したものです。ユニセフは、日本政府から提供された2416万5810米ドルの資金で本事業を実施。30万人近くの子どもたち(うち51パーセントは女の子)が、現在、安全で健康的で衛生的な環境の中で学習することができています。また、3000人の教員が、教育の質を向上するべく、子どもを中心にした参加型の教授法や学習法に関する研修を受けました。

4年間を掛けて実施されたこのプロジェクトにより、次に挙げるような多くのことが達成されました。

  • 2009年から2012年の間に、カブール市内に51校の設備の整った学校を整備。1,088の教室に384人のスタッフが配置されました。
  • 29万8642人(うち51パーセントが女の子)の子どもと、彼らを教えている先生方に、安全で安心できる設備の整った学習環境を提供しました。
  • 全ての学校に、男女別のトイレや水飲み場、校庭、警備室も備えた防護壁、芝生、コンクリートで舗装された道、1クラス40人分のロッカーなどの設備が備えられ、「子どもに優しい」環境が確保されています。
  • 教員3,006人が研修を受講。「子どもに優しい学校」アプローチや子どもを中心にした教授法、学習方法論を学びました。

本プロジェクトの目的は、急速な人口増加のために、深刻な学校不足に陥っていたカブールの状況に対処することで、特に、女の子の教育の機会を増やすことに重点が置かれました。このプロジェクトは、ユニセフの「子どもに優しい学校」アプローチを取り込みながら、教室の中だけでなく、体育などの屋外の学習環境の質の向上も目的にしています。こうした努力により、子どもたちは持っている可能性を十分に発揮できる環境で学ぶことが可能となっているのです。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る