≪2003年4月30日掲載≫
最大規模のはしかの予防接種キャンペーンがはじまる
<アンゴラ>
アンゴラでは、2003年4月22日に全国規模の「はしか予防接種キャンペーン」がはじまりました。これは、ユニセフやWHO(世界保健機関)、その他の市民社会のさまざまな団体の協力のもと、アンゴラ政府の主導で行われます。4週間のうちに700万人の子どもたちが予防接種を受ける予定です。
この予防接種キャンペーンにあわせて、アンゴラを訪問したキャロル・ベラミー ユニセフ事務局長は、「アンゴラ政府には、この大規模な保健キャンペーンを引っ張り、そして、教育や基礎保健サービスの充実にもエネルギーを注いでほしい」と訴えました。そして、「子どもたちがいるところにお金を使ってください。子どもたちを守ることによって、安定した未来を築いてほしいのです。これが本当の平和の分け前というものです」と述べました。
アンゴラでは、長期にわたって続いた戦争のために、5000校の学校と病院の60%が破壊されました。アンゴラの子どもの45%は、慢性的な栄養不良に悩まされており、アンゴラは世界でも子どもと妊産婦の死亡率のもっとも高い国のひとつです。
アンゴラは、世界でも予防接種率の低い10カ国の中に入っています。2001年の推定値で、アンゴラの予防接種率は46%でした。また、すべての予防接種を受けられる1歳児は、27%しかいません。
その結果、はしかは、いまだにアンゴラの子どもの主要死亡原因のひとつで、毎年1万人以上の命を奪っています。先進工業国では、はしかにかかっても1000人のうち999人は助かりますが、アンゴラでは、1000人のうち100人は亡くなっています。
ベラミー事務局長は最後にこのように述べました。
「今日、このキャンペーンがはじまったことは、これからを約束する第1歩です。アンゴラは、アフリカの国々のよいモデルとなれる可能性があります。しかし、まだ100万人の子どもが学校に行けません。基礎保健のためのシステムもアンゴラ全土で強化され、ワクチンが定期的に運ばれるように整備されなければなりません。もし、それが実現されれば、5年のうちに、子どもたちは学校に通い、子どもの死亡率も下がることでしょう。そして、2003年は、アンゴラで子どもたちが優先課題の第一に考えられた年として記憶されることになるでしょう」
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2003年4月21日、1歳の娘オスナイダちゃんに寄り添うお母さん。オスナイダちゃんは、はしかのために重体に陥り、アンゴラの首都ルアンダの小児病院で、栄養補給のためのチューブを鼻から入れられて横たわっていました。アンゴラでは、予防接種で防げるはずのはしかがいまだに主要な子どもの死亡原因となっています。毎年、非常に感染力の高いこの病気により、1万人以上の子どもが亡くなっています。そして、そのうちの95%は15歳未満の子どもです。
アンゴラでは、全国規模の予防接種キャンペーンがはじまり、全国18州において今後4週間の間に、9歳から15歳までの子ども700万人に対してはしかの予防接種が行われます。この大規模なキャンペーンを実施するために3万人の人びとが動員され、ユニセフ、WHO(世界保健機関)、その他の市民社会のさまざまなセクター(その中には若者や、保健員、教員、村のリーダーや教会などが含まれる)の支援のもと、アンゴラ政府がこのキャンペーンを主導しました。
2003年4月22日、アンゴラの北部にあるマランジェ州の州都の郊外にあるリトンド村の第235小学校で。女性の保健員が男の子にはしかの予防接種をするための準備をしています。机の上に置かれているワクチンボックスは、ワクチン輸送のために使われています。断熱されており、ワクチンを常に低温に保つことができます。保健員の着ているTシャツはこのキャンペーン用のもので、はしかの予防接種キャンペーンを宣伝しています。
これまでに行われた中でも最大規模の保健キャンペーンの一環として、はしか予防接種キャンペーンが実施されています。
2003年4月22日、マランジェ州の郊外のリトンド村、エスクラド・ボムボコ小学校での予防接種キャンペーンの視察に訪れたキャロル・ベラミー ユニセフ事務局長。女性の保健員と予防接種登録票を見ながら、このキャンペーンについて話し合いました。何人もの保健員が予防接種キャンペーンを宣伝するTシャツを着ています。
<2003年4月22日アンゴラ・ルアンダ(UNICEF)>
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