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ブラジル:貧困下で暮らす1300万人の子どもたちのために【2007年6月27日 ブラジル・ブラジリア発】 ブラジルの半乾燥地域に住む1300万人の子どもたちのために、「ブラジルの半乾燥地帯の子どもたちに適した世界」と名づけられた第二次国内協定が採択されました。この国内協定は、もとは2004年に始まったもので、子どもたちを取り囲む環境の改善のために、政府と民間組織が協力していくことを決めたものです。 「私たちの目的は、半乾燥地域の子どもたちとその家族の暮らしを改善することです」。ユニセフ・ブラジル事務所のマリーピエール・ポワリエール代表は語ります。「私たちは、ブラジルに存在する社会的不平等に取り組むために活動しています」。 政治や社会への働きかけ
6月26日、ブラジリアにある大統領宮殿で開かれた協定締結の式典は、地元メディアにも大きく取り上げられました。式典には、ブラジル大統領や大統領夫人をはじめとする350人を超える人々が参加。700以上あるブラジルの市民社会組織で構成される組織の代表、マリア・エウニス・デ・ヘサス氏は、「私たちは変化を求めています。だからこそ、今日私たちはここに集っているのです。市民社会は、(社会のあらゆる側面で)子どもたちが最優先であることを確保してゆきたいと思います。」と語りました。 式典では、参加者全員が、協定の締結を記した大きな垂れ幕に、子どもの権利を守るための活動を今後も継続することを誓う証として、力強いカラフルな文字で署名しました。ブラジルの半乾燥地域では、2600万人以上が貧しい生活を余儀なくされています。その75パーセント近くは若者です。半乾燥地域の子どもたちの暮らしを改善することは、ブラジルはもちろん、最終的には、全ての中南米地域が国連のミレニアム開発目標を達成するために成し遂げなくてはならないことなのです。 「子どもたちのために、ミレニアム開発目標を達成するため、直接的な成果を獲得しようとしているこのような取り組みがあることを知り、とても勇気付けられています。」式典に参加した総合メディア企業の代表マリノ氏は語ります。「このような協定に、民間セクターの参加は不可欠です。」 ユニセフ賞第2次国内協定の締結に伴い、ユニセフ・ブラジル事務所も、第2回ユニセフ賞の認定の作業を始めました。ユニセフ・ブラジル事務所は、子どもたちに関わる事業において、一定の成果を挙げた地方自治体に対し、「ユニセフ賞」を贈っています。 「ユニセフ賞」の実施にあたり、過去2年間で、1179の地方自治体が、何千人もの子どもたちのために様々な活動を展開。子どもの死亡率は3.7パーセントに減少し、栄養不良の子どもたちの数も減少しました。また、適切な妊産婦ケアも拡充しました。ユニセフは、「ユニセフ賞」が、ブラジルの半乾燥地域の全ての地方自治体が、子どもたちのために一層様々なサービスの拡充を図る機会となる一助になることを期待しています。 更なる挑戦こうして、半乾燥地域の子どもの権利を守るための活動が少しずつ前進しています。しかしながら、ブラジルの他の地域と比較すると、この地域の乳児死亡率は未だに非常に高く、教育水準の低さも、この地域の6割の市町村で報告されています。 こうした「社会的格差」が存在する一方、半乾燥地域には、豊かな資源と文化があります。政府と市民社会の協力と努力によって、国内協定がこうしたポジティブな部分を社会の前面に押し出すことを期待しています。 「パートナーシップの強化は、問題を解決するための最良の手段です。」ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ、ブラジル大統領は言います。「政府だけで、全ての問題を解決することは不可能です。同じく、市民社会だけでも不可能でしょう。しかし、両者が協力して取り組めば、個別では不可能だったことも可能になるのです。」 |