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中央アフリカ共和国
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© UNICEF CAR/2007/Holtz |
バンギのストリートチルドレンのために「心の声」センターが開設されました。 |
中央アフリカ共和国の首都バンギを歩くと、行商人やタクシー、通勤者にまぎれて大勢の子どもたちを目にします。路上を「家」と呼び、働いたり、人に無心したりする子どもがたくさんいます。
路上生活は厳しく、子どもたちは早く大人にならなければなりません。多くの若者が、兄弟や身寄りのない小さな子どもたちを養っています。食べ物や医療サービスの享受、また学校へ通うことはとても困難で、ときには全くサービスを受けられないこともあります。 貧困などが原因で、子どもたちは学校や病院へ行くことができなくなっています。医療と教育を受ける権利があるにもかかわらず、子どもたちは暗い将来への不安を抱いています。
アルマンド君(11歳)は、ストリートチルドレンのための施設、「心の声」センターに最近入居した60名の内の一人です。 アルマンド君の父親が家を出ていってから、母親は一人で家族を養っていくプレッシャーで、息子が魔法に夢中になっていると思い込み、彼に暴力を振るうようになりました。アルマンド君は、バンギに住む伯父のところへ移りましたが、伯父も母親と同じ状態になってしまったため、路上で生活せざるをえなくなってしまいました。 これはこの地域では、珍しい事ではありません。魔術を使ったという理由で、鞭打ちなど、悪魔払いの暴力が正当視されたりするのです。
1994年、前政府大臣ベアトリス・エパヤ氏は、ベンギのストリートチルドレンの深刻化する窮状を何とかしなければならないと考え、宿泊施設や食事、医療ケア、訓練や教育を子どもたちに提供する「心の声」センターを始めました。 当初、「心の声」センターは、親に捨てられたり、家庭内暴力から逃げ出してきた子どもたちのための家として始められました。しかし、エパヤ氏は、過去十年間で、この保護施設に子どもたちがやってくる理由が変化していることに気がつきました。
「今主な原因となっているのは、貧困です。お金がないことが家族に多大なストレスを与え、家族の破たんを導いています。」
家族の崩壊を防ぐため、ユニセフは、中央アフリカ共和国全土で、医療や栄養サービス、HIV/エイズ予防、教育プログラムを通して、困難な状況にある子どもたちを支援しています。また、「心の声」センターに医療物資と学校用具を提供しました。 昨年、「心の声」センターは、バンギに3,000名いると推測されているストリートチルドレンの2500人に支援を行いました。このセンターは「大海の中の小さな一滴」にすぎないかもしれません。しかし、ユニセフは小さな雫が集まれば、大きな波を起こせると信じています。