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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

北京オリンピック開幕! ユニセフは、オリンピック期間中、
北京でエイズと共に生きる子どもたちへの支援を訴えます

【2008年8月6日 ニューヨーク発】

濮存昕(プー・ツンシン)氏
© UNICEF/HQ06-0126/Li Mingfang
ユニセフのエイズ・キャンペーン親善大使を勤める中国の映画俳優、濮存昕(プー・ツンシン)氏。

世界の目が北京オリンピックに注がれる中、ユニセフは、中国国内でもっとも「忘れられている」グループのひとつ、HIV/エイズによって苦境に立たされている子どもたちへの支援を訴えます。

ユニセフ・中国事務所は、オリンピック開催期間中、ユニセフのエイズ・キャンペーン親善大使を勤める中国の映画俳優、濮存昕(プー・ツンシン)氏や、1984年のロサンゼルスオリンピックで金メダリストを獲得した体操選手、楼雲(ロウウン)氏などの協力を得、子どもたちへの支援を訴えます。

キックオフとなる8月9日(土)の人民大会堂でのイベントでは、オリンピック選手らが、中国全土から集まったエイズで親を失ったりしたこどもたち80人あまりを迎えます。

「とても力強いメッセージを発信していただけると思います。最も弱い立場の子どもたちがいることを、人々は忘れてはなりません」。(ユニセフ中国事務所イン・イン・ニュイ代表)

中国では、現在、孤児の数は2100万人近くに上りますが、その中の何人がエイズで両親を亡くし、孤児となったかについての統計は存在しません。

ニュイ代表は、世界が注目するオリンピック期間中に開催されるこのイベントが、中国国内でまだ根強いHIV/エイズに苦しむ人々への偏見や差別を克服するための重要なステップになることを期待しています。

大きな一歩

「これは、とても大きな一歩です。2004年に、北京で初めてサマーキャンプを開催した時、こうした子どもたちを受け入れてくれるホテルは一軒もありませんでした。」(ニュイ代表) 当時は、ゲストとして招かれていた、ユニセフ親善大使のロジャー・ムーアさんが仲裁してくれるまで、子どもたちは泊まるところを探すことができなかったのです。

イン・イン・ニュイ代表
© UNICEF/ HQ08-0558/Adam Dean
会議中のユニセフ中国事務所イン・イン・ニュイ代表(手前左)。

中国政府は、HIV/エイズと共に生きている人々に対しての差別を違法としています。にもかかわらず、社会の現実はとても厳しく、その変化は遅々として進んでいません。

「社会が一夜で変わるとは思っていません。こうした変化は、徐々に起こるものです。何年も掛けて少しずつ変化しています 。(今回のイベントを通じ)もし人々が、少しでも私たちのメッセージを受け取ってくれれば、それだけでもこのイベントを開催する意味があるはずです。私は希望を捨ててはいません。」(ニュイ代表)