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中国四川地震:現地主導の支援をサポート【2013年4月23日 北京発】
20日に中国内陸部の四川省でマグニチュード7.0の地震が発生してから数日が経ちました。孤立していた被災地には中国政府の救援部隊が入り、地震の被害が明らかになりつつあります。これまでに報告された死者は190人以上。負傷者も12,000人にのぼっています。 ユニセフは現在、子どもの保護、母子保健、栄養、衛生の分野での支援を行うべく、政府の各担当機関・省庁とともに準備を進めています。2010年の人口調査によると、震源地に近い蘆山県の18歳未満の子どもの数は、約26,000人と推定されています。 地震発生から2日後の22日、香港のユニセフ協会(国内委員会)から寄せられた緊急拠出金と合わせ、ユニセフ中国事務所は、被災地の保健施設用緊急産科キットの調達・配布用に75,000米ドルの資金を準備しました。今回、地震の被害を受けた地域の中には、2008年の中国大地震の被害を受けた地域も含まれています。5年前の地震で受けたトラウマから子どもたちが立ち直りかけていた矢先の出来事でした。 「中国政府は、今回の巨大地震被災地の緊急なニーズに応えるべく、懸命に取り組まれています」ユニセフ中国事務所のジリアン・メルソップ代表はこう話します。「中国各地の多くの市民や民間企業からも、震災直後から大きな支援が寄せられ始め、私たちも大きな感銘を受けています」
「ユニセフの最優先課題は、日常を一瞬にして奪われた子どもたちへの支援です。子どもたちが、この衝撃的な経験(トラウマ)を克服するために、早急な支援が必要なのです」(メルソップ代表) ユニセフは、現地の「子どもと女性委員会」(NWCCW)と協力して、今回被災地となった地域に以前から設置されていた“子どもにやさしい空間”の活動を強化。その周辺の地域に住む子どもたちにも必要な支援が届けられるよう、訪問チームの派遣支援も準備しています。 2008年の大地震の後、ユニセフと「子どもと女性委員会」は、蘆山県をはじめとする被災地に、40ヵ所の“子どもにやさしい空間”を設置してきました。 ユニセフは、こうした支援に加え、政府の医療・保健行政の担当機関・省庁と協力し、MMR(はしか、おたふく風邪、風疹)ワクチンや肝炎ワクチン、乳幼児の栄養支援、衛生キットや簡易トイレなど、被災地の34の保健施設に対する支援の準備も進めています。 「私たちは、今回の震災への緊急支援活動を、以前から現地のパートナー団体とともに進めてきた、子どもたちへの様々な支援施策を強化する形で進めています。また、今回の震災をきっかけとして、更に長期的な視点から、子どもたちの生活をより良いものにするシステムを作り出したいと考えます」とユニセフ中国事務所のティム・サットン副代表は話します。 「例えば、今回の震災で発生した緊急的なニーズに応えるための手段としてコミュニティ主導の“包括的な衛生”アプローチが強化されれば、それは、長期的に見れば、地域の方々や学校の先生方、そして自治体や子どもたちをも巻き込んだコミュニティの衛生改善の取り組みにつながるのです」(サットン副代表) 震災発生後の最初の週末、ユニセフ中国事務所は、公式ミニブログ(中国語)に、子どもたちを守るためにおとながどのように行動したら良いのかをまとめた指針を掲載しました。このブログ記事は、これまでに47,000回以上シェアされています。
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