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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2004年8月3日信濃毎日新聞掲載>

栄養不足 地域ぐるみで克服
<コンゴ民主共和国>

組み立て式の身長測定板で身長を測るキセンソ村の子ども 「さあ、みんな。子どもたちをセンターに連れておいで。今日は月に一度のチェックの日だよ」
 アフリカ中央部、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の村、キセンソでは、村のボランティア、フランクがハンドマイクで村人に呼びかけています。彼はラップのリズムで陽気に踊りながら呼びかけるので、地域の栄養改善センターはたちまちお母さんに抱かれた子、よちよち歩きの子であふれます。

 同国では1998年の内戦以降、保健サービスの低下や経済の悪化などのため、国民、特に子どもたちの栄養不足が目立っています。2001年の全国調査では重度の栄養不良児が110万人(全児童の13%)に上ることが分かりました。ユニセフは政府と協力して、5歳未満児と妊婦、授乳中の母親の栄養改善に取り組んでいます。

 キセンソ村の栄養改善センターを訪れた子どもたちも、身長、体重の計測や栄養状態のチェックを受けます。それらは成長観察カード手帳に記録され、順調に成長しているか、あるいは何か栄養上の問題があるかが分かります。また、村のボランティアはチームで戸別訪問をし、母親に母乳保育の大切さを教えたり、生後6ヵ月から始める離乳食の与え方、調理方法を説明します。

 「『料理のときにココナツオイルを熱し過ぎないように、ビタミンが逃げちゃうからね』って教えるんですよ。果物や黄緑野菜が家族の健康にどんなに役立つかも説明するし、子どもの食事の終わりにはマンゴーを食べさせることも付け加えるのよ」。ボランティアの女性、マリーが言います。「男性のボランティアは村の人にどんな作物が一番栄養があって育てやすいか、その栽培方法も教えるんです」

 ユニセフのコンゴ事務所で栄養担当官を努める釜土真帆子(かまつち・まほこ)さんは、「日ごろの栄養不良の防止はいろいろな病気の予防につながりますし、村人の自主的な参加を基盤にしていることで、最終的には村人が自分たちで栄養問題を克服できるようになると期待しています」と話しています。

 ユニセフはこの事業に治療用ミルク、高タンパク質ビスケット、必須医薬品、経口補水塩、調理鍋、体重計、身長計といった資材の提供と技術的アドバイスをしています。さらに、昨年11月の時点で約800の村にある、地域に根ざした栄養改善センターを、来年までに1500以上に増やそうと目指しています。


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