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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

コートジボアール:破傷風撲滅キャンペーン

【2009年6月17日 コートジボアール発】

© UNICEF Video
セブラ・セイドウさんと彼女の赤ちゃん。セイドウさんは、彼女自身と生まれてくる赤ちゃんを守るために出産前に破傷風の予防接種を受けました。

セブラ・セイドウさんは、出産わずか数分前にコートジボアールの首都アビジャンにあるアボボ・ケネディ診療所にやってきました。セイドウさんがこの診療所を訪れるのは、妊娠当初から数えてこれが2回目です。セイドウさんには出生前の定期検査や医師との診察にかかる費用を支払う余裕がなかったのです。

しかしながら、セイドウさんも破傷風の一回目の予防接種を受けることができました。コートジボアール政府が、無償で破傷風の予防接種を実施したのです。セイドウさんは2回目の予防接種をこれから受ける予定ですが、この2回の予防接種によって、彼女と生まれてくる赤ちゃんをこの命にかかわる病気から守るための免疫が作られます。

「破傷風の血清を投与します。これで彼女と子どもたちはこの病気から守られるでしょう。」助産師のバーナデット・カハさんはこう説明します。「そうして、母親はもう一回、3回目となる最後の予防接種を受けるのです。」

出産の大きな危険性

破傷風が原因で亡くなる新生児の数は、世界中の新生児死亡数の7パーセントを占めます。しかし、コートジボアールで破傷風の定期予防接種を受ける人の割合は依然として低いままです。

細菌は汚れた場所で繁殖し、さらに不衛生な状況で出産することによって新生児に感染する可能性があります。

「母親と子どもが家に戻ったとき、家族は、傷口を清潔にする方法として、すりつぶした葉と炭などを混ぜ、へその緒に塗布します。」コードジボアール政府保健省のママドウ・ケイタアボボ東部地域代表はこのように説明しました。「この方法が衛生的であるはずがありません。」

ワクチンキャンペーン

© UNICEF Video
破傷風予防接種キャンペーンで、破傷風の予防接種がコートジボワールの500万人以上の出産年齢の女性を対象に無償で提供されました。

この問題に取り組むため、ユニセフは、コートジボアール政府やその他のパートナーと協力して、三つの段階に分かれているこの破傷風予防接種キャンペーンを全国規模で実施しています。このキャンペーンによって、500万人以上の女性が無償で破傷風の予防接種を受ける予定です。

このキャンペーンを進めるためには、キャンペーン実施初期の段階でみられた予防接種に対する反対の声を克服しなければなりませんでした。

「当初、人々は怖がっていました。」助産師になるための勉強をしている予防接種員のアワ・コンさんは話します。「けれど次第に、『予防接種は怖くない』という声が広まりました。今では、みんなが追加の予防接種を受けにやってきます。」

コートジボアールの全ての地域に支援を届けるため、複雑な物資の流通計画も必要です。

「ワクチンは保冷庫に入れられ、その保冷庫は冷蔵トラックで各地へ運ばれます。そして、地域の保健センターや保健施設に分配されるのです。」公衆衛生研究所のアンヘル・ニアマ物流担当官は話します。

死亡率の低減

コートジボアールの新生児死亡率は、出生1000人あたり93人。妊産婦死亡率は、出生10万人あたり810人です。

破傷風、はしか、ポリオのような病気は生涯続く麻痺を引き起こし、時には死に至らしめることもあります。これらの病気に対する定期予防接種は、コートジボアール政府の保健や開発に関する政策の一環として、年間を通して続けられます。

「コートジボアールは、破傷風の発症率が高い世界39カ国のうちのひとつです。」ユニセフ・コートジボアール事務所のマアリト・ヒルヴォネン代表は話します。「破傷風予防接種キャンペーンの実施を通して、2010年までにコートジボアールで破傷風の根絶を達成することを目指しています。」

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