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<<2002年12月11日掲載>> 女性性器切除(FGM)によって亡くなった少女の話
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写真は本文とは直接関係ありません |
母親は後になってこう話しました。少女は手術中に気を失い、意識を取り戻すとすぐに傷口の痛みで泣き叫び続けた、と。少女の出血は昼も夜も過度に続きましたが、母親は切除者に言われた通り血を拭くだけでした。少女には飲むものも与えられませんでした。切除者は、尿をすることで傷口が開く危険性があるからと説明していたのです。
夜9時半のこと、父親が帰宅すると、少女はひどく衰弱しており、すぐに少女を病院に連れて行くことにしました。そこで少女はあらゆる処置もむなしく、2時間後に息を引き取ったのです。
この事態を受け、産婦人科の主治医である医師がFGM反対運動の代表に連絡をし、状況を報告しました。そして両親にはこの幼い少女の死がFGMの風習によって引き起こされたものであること、切除の手術をしていなければ少女の死は防げたのだと説明しました。
少女の両親は娘を亡くした悲劇を繰り返すことのないようにと「安全な母性」プログラムに参加することになりました。
ジブチ・シテイ、11月29日(ユニセフ)
マダム・サフィア・エルミ「安全な母性」プログラム代表
*女性性器切除(FemaleGenitalMutilation:FGM)は、主にアフリカのおよそ30カ国で行われている儀式的行事。女子の貞節を守り結婚の条件をよくするためものと考えられ、長い間続けられてきた。WHO(世界保健機関)の推定では、1億3000万人の女性や少女がFGMを受けているとされる。FGMは身体に悲惨で致命的な長期的苦痛を与え、また深刻な心理的影響を及ぼす。近年、ようやくFGMは女性に対する虐待であるとの認識が広まり、法律で禁止したり、反対運動が広まったりしている。