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キリバス:気候変動問題と向き合う若者たち【2011年3月4日 キリバス発】 2月25日、ユニセフは『世界子供白書2011−青少年期 (10代) 可能性に満ちた世代』を発表しました。今年の白書は、世界の主に10歳から19歳までの10億人以上の子どもたちの発達と権利の問題に焦点を当て、貧困や不公平性、ジェンダーの差別を乗り越えるために、青少年や少女への"投資"の必要性を訴えています。今回ご紹介するのも、そうした問題を伝えるお話のひとつです。
太平洋の真ん中に浮かぶ小さな島国、キリバスは、“静かな”自然災害に襲われています。この国の文化や子どもたちの生活は、少しずつ、しかし着実に侵食されているのです。 美しい環状のさんご礁の島国、キリバスは、今、深刻な海面水位の上昇に襲われています。元々その量が限られている飲料水や耕作地が、海水で汚染されるようになっているのです。また、発生の頻度が増している干ばつをはじめ、様々な形態の気候変動の悪影響に対処するために国家予算が回されているため、教育や保健・医療サービス、交通機関や情報通信網の整備のための予算が不足し、人々の生活は困難なものとなっています。 環境問題の解決策
しばしばメディアで取り上げられることはあるものの、世界中の多くの人々が直接経験したことのないこの静かに進行している自然災害は、キリバスの若者たちにとって、既に現実の問題なのです。 キリバスは、32の環礁とひとつの島から成る人口約10万人の島国で、気候変動の問題の最前線に立たされています。 若者たちは、気候変動についての情報を仲間やコミュニティの人々と交換し合い、その悪影響を緩和するための解決策を見つけ出すべく、積極的に活動しています。しかしながら、キリバス自身は、(気候変動の原因と言われている)二酸化炭素ガスなどを殆ど排出していないため、この問題の根本的な解決については、国際社会の一致団結した取り組みに頼るしかないのです。 アクションが必要なのは、「今」この問題への取り組みを、キリバスの若者たちが訴えています。その声は、『世界子供白書2011』に掲載されたキリバスのアノテ・トン大統領の寄稿記事でも反映されています。ユニセフは、キリバスをはじめとする開発途上国の小さな島国に暮らす女の子と男の子たちが、世界の気候変動問題に関する話し合いや政策決定の場に参加できるよう、積極的に活動しています。 キリバスの若者たち、そして大統領のメッセージは明確です。そして、それは、この地球上に生きる全ての人々に関係する内容です。気候変動は、若者の未来を蝕み、心身の発達にも危険を及ぼしています。世界中の全ての人々、コミュニティ、政府が、気候変動とその悪影響に対処するべく、今すぐ行動を起こす事が求められています。
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