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リベリア:はしかの緊急予防接種キャンペーンを展開【2011年2月10日 リベリア発】
リベリア北東部ニンバ郡の中心部に位置するゾエルアパ。この国の貧困地帯の一角にあるこの町には、電気もトイレも保健所もありません。この人口4,000人の町は、今、はしかの流行と闘っています。1月末までに、この感染力の強い伝染病の感染者は100人。5人の死亡が報告されています。 ドリスちゃん(10歳)と姉のローダさん(13歳)も、数日前から体調を崩しています。「熱と鼻水、喉の痛みを訴えています。」母親のドロシー・オッコさんはこう話します。オッコさんは、何の迷いも無く、他の子どもたちを、緊急のはしかキャンペーンが実施されている土と藁で造られた小屋に連れて行きました。 「家には14人の子どもたちがいます。他の子どもたちに病気を伝染させないようにしなければなりません。」「予防接種に感謝しています。」オッコさんはこう語りました。彼女の他にも、数十人のお母さんやお父さん方が、子どもたちに予防接種を受けさせるための順番を待っていました。 全域で活動する保健チーム
生後6ヵ月から16歳までの全ての子どもたちに予防接種を実施するべく、ユニセフの支援を受け、保健専門家が80のチームに分かれて、ニンバ郡全域で活動しています。はしかに関連する死亡を防ぐビタミンA補給剤の他、5歳未満の子どもたちには寄生虫駆除薬も併せて配布されています。 また、多くの避難民が暮らすコミュニティでは、栄養状態の検査とカウンセリングが提供され、症状によっては、病院への転送が行われています。重度の栄養不良の子どもたちは、外来治療センターに連れて行かれ、中度の栄養不良の子どもたちには、栄養補給プログラムが提供されています。出産年齢期の女性たちを対象に、破傷風の予防接種も実施されています。 「このキャンペーンは非常に重要です」この緊急キャペーンは、はしかの流行の拡大を食い止めるために非常に重要です。この地域は、定期予防接種の普及率が低く、また、去年の12月から続く隣国コートジボアールの政治的混乱によって、約3万2,000人の避難民が流入しているのです。この地域に住む子どもたちの多くが(正確な記録が残されておらず、これまで)予防接種を受けたか否か、定かではありません。 「避難を余儀なくされた人々が、非常に限られたスペースで生活していることが分かっています。6人部屋に、最大30人が暮らしているのです。国境付近では、深刻な食糧不足も問題となっています。」ユニセフのセファネエ・カンネ・ケッセリー予防接種担当官は、こう語ります。「はしかと栄養不良は、子どもたちの命を奪います。ですから、このキャンペーンが、非常に重要な意味を持っているのです。」
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