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モーリタリア:母親と子どもの命を守る破傷風撲滅予防接種キャンペーン【2009年5月18日】
西アフリカ、モーリタニアの小さな村に住むアイチェトちゃん(14歳)は、この日、生まれて初めて保健センターに行きました。ある日、彼女が住む村の人々は、ラジオを通じて破傷風撲滅のための予防接種キャンペーンが、首都ヌアクショットから200キロほど離れたところに位置する町レフアドで行われることを知ったのです。 彼女たちが聞いたこのラジオメッセージは、破傷風の危険性と予防接種の効用について啓発するものでした。キャンペーンの当日、村の女性たちは予防接種を受けるため、辛抱強く順番を待っていました。 「この恐ろしい病気から自分自身を守るためには、この予防接種1回だけでは十分でないことを理解しています」と、アイチェトさん。「来月、2回目の予防接種を受けにくるつもりです。」 予防接種は、女性と新生児を破傷風から守る最も良い方法です。予防接種を5回実施すれば、時に診断される前に命を奪うこともあるこの潜行性の病気から、お母さんがたを一生涯守ることが出来るのです。新生児が破傷風に罹患すると、生後一ヵ月を迎えずに命を落とすこともあります。 全ての人々へ
各地を移動しながら予防接種を実施しているチームは、1週間の予防接種キャンペーンの初日に現場に到着するや否や、各地に点在する僻地で暮らす人々のところへ予防接種を届けに行きました。この予防接種キャペーンは、普段、保健サービスへのアクセスが限られた地域に暮らし、そのために様々な保健問題に晒されている農村部の女性たちにとっても、またとない機会を提供しています。 予防接種は、女性たちを破傷風から保護し、新生児の命を守ります。 インチリ地域のアクト保健センターでも、地元出身の女性が中心になって組織している予防接種チームが、同じ予防接種キャンペーンを展開しています。 「この女性は、この町の全ての女性に予防接種を受けさせました。私たちは、この地域の定期予防接種率を80パーセント以上にすることを目指しています。予防接種活動は、保健スタッフが、母親たちと、自分自身と新たに生まれる子どもたちの両方に、予防接種と保健サービスを定期的に受診することの重要性を話し合う、良い機会をつくってくれています」と、アクト保健センターの所長は話します。 命を救う一週間今回の予防接種キャンペーンは、モーリタニア保健省が2008年に始めた「妊産婦と新生児の破傷風撲滅キャンペーン」の一環として、今年は4月26日から30日までの1週間実施されました。キャンペーンの期間中、30人のチームリーダーのもと、521人の保健スタッフが、26の地域で活動。保健センターだけではなく、各地を移動するチームの活躍で、学校や市場で働く女性のみならず、最もアクセスの悪い地域に暮らす女性たちへも、予防接種を実施することができました。 ラジオ、テレビなどの国内メディアは、このキャンペーンを広く広報し、各農村では、地元の人々が、周囲の村人に、参加を呼びかけました。 ユニセフはこの予防接種キャンペーンを、保健省、教育省、WHO(世界保健機関),国内・国際NGO、そして、民間企業などのパートナーと協力して実施しています。 |