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モザンビーク:ユニセフは、51万人以上のエイズ孤児支援を
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© UNICEF Mozambique/2008/Machiana |
モザンビークでは多くの孤児や困難な状況にある子どもたちが、ユニセフの支援する地域活動組織により、日常生活で必要な物資や心のケアなどの提供を受けています。 |
登校時刻を過ぎても、ロシナさん(16歳)はまだ自宅にいて、せっせと家事を済ませています。彼女の家は狭くて暗い小屋で、ここ1年、弟3人と暮らしてきました。一番下はたった3歳です。
2年ほど前、母親は亡くなり、父親は行方知れず。
「わたしは、弟たちの母親代わりをしています。ここでの生活は厳しいです。毎日、自宅から遠く離れたところまで水を汲みにいかなくてはいけないし、炊事用の薪も探しに行かなくてはいけません。弟たちに食事を作って学校にも行っています。」と、ロシナさんは話します。
ロシナさんと弟たちは、モザンビークで51万人はいると推定されているエイズ孤児です。
「共に生きる」ための支援
幾多の困難にも関わらず、ロシナさんは家族を養う支援を受けながら、勉強を続けています。 「近所の畑仕事を手伝ってもらう、わずかなお金と食料が支えです。それと、ブコシャから受け取る支援もわたしたちの生活の支えです。」
「ブコシャ」は「共に生きる」という子ども支援プログラムを行う地域活動組織です。モザンビークのエイズ孤児や困難な状況にある子どもたちを養ったり、子どもや高齢者が大黒柱になったりしている家庭を支援しています。ユニセフの協力の下、収入や土地、農作物のための小口の借り入れ、安全な水や適切な衛生設備(トイレ)の利用やその他の基礎的な生活支援を提供しているのです。
「わたしたちはここチャケレインで、地域コミュニティーメンバーと委員会を作りました。ここでは、支援が必要なたくさんの孤児がいて、子どもたち同士で面倒を見ていたり、こうした子どもたちの世話をする多くの高齢者世帯があるからです。」 チャケレインのコミュニティーにある地域活動組織ブコシャの委員長、アニータ・ウッシバナさんはこう話します。
孤児のいる家庭に必要なものは
「昨年、私たちは戸別訪問して、このコミュニティーの状況調査をしました。そしてロシナと弟たちと出会ったのです。」(ウッシバナさん)
それ以来、ロシナさんたちは勉強道具に制服、普段着に石鹸など受け取りました。出生登録も行われ、今は基礎保健サービスも受けられます。さらに、ブコシャは最近、このコミュニティーで簡易トイレの建設を支援しました。
またブコシャは、支援が必要な高齢者や、心理的、社会的、あるいは法律における孤児や困難な状況の子どもたちを支援する組織活動を発展させてきました。
心のケアと生活支援
コンスタンシャ・ノベラさん(42歳)はブコシャの活動家で、心のケアや生活支援をロシナさんたちに提供しています。
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コンスタンシャ・ノベラさん(右)は、モザンビークのエイズ孤児に心のケアと生活支援を行う専門家です。 |
「最低でも月2回は訪問して、心配事を聞いたり、アドバイスしたり必要なものをあげたりします。」 (コンスタンシャさん)
全部で145名以上の孤児や困難な状況の子どもたちが、地元当局との協力のもと、ここチャケレインでブコシャの支援を受けています。
孤児や困難な子どもたちを支援する地域のきっかけ作りは、ユニセフの支援の一部です。ユニセフは協力団体とともに、モザンビーク政府が「孤児や困難な子どもたちのための活動プラン」を進める支援をしています。このプランは、基礎的な生活支援を受けられる子どもを130万人以上にすることを目的としています。