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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ、ニジェールのリーダーたちと子どもの生存と女子教育を訴える


【2007年8月10日 ニジェール・マラディ発】

©UNICEF video
新しい族長の即位式で進行役を務める最高長、アブドゥ・バラ・マラファ氏

ニジェール南部のチビリ地方で、新しい族長の即位式が行われました。この厳粛な儀式の進行役を務めるのは、最高長のアブドゥ・バラ・マラファ氏。アブドゥ氏は、この国で最も大きな影響力をもつ伝統的リーダーのひとりです

極度の貧困がはびこり、先祖から続く慣習が根強く残るこの地で、ユニセフは、200人を超える伝統的リーダーと協力しながら、子どもの保護、生存、発達の問題に取り組んできました。イスラム教の宗教的指導者や伝統的リーダーたちは、ここに住む人々の日常生活に多大な影響力を持っています。そのため、識字率の低いニジェールでは、社会的メッセージを広めるにあたって、彼らの存在がカギとなるのです。

女性と子どもの地位
©UNICEF video
村の意識啓発キャンペーンに参加するユニセフ・ニジェール事務所のプロジェクト担当官、マリアマさん。

即位式の日、最高長は、近くのファガガオウ村へ赴きました。予防接種や衛生、HIV/エイズ、また、早婚や女子教育の重要性について、村人たちの意識を高めるためです。

「今日の啓発キャンペーンは、女性や子どもたちの生活条件をより良くするためのものです」。ユニセフ・ニジェール事務所のマリアマ・モーリマさんは、即位式の後に述べました。ニジェールの女性や子どもたちが直面している困難には、以下のようなものがあります。

  • 出生率が世界でももっとも高い国のひとつで、女性ひとりあたりの子どもの数が平均7.7人に達する。
  • 妊産婦死亡率が高く、7人にひとりの女性が妊娠・出産時に死亡する。
  • 保健、教育、識字面において、男性と女性の間に大きな格差がある。
早婚が教育の機会を奪う
©UNICEF video
ニジェールでは、小学校に入学する女の子は10人に4人にすぎない。

極度の貧困との闘いの中で、ユニセフは、男の子や女の子、特に不利な状況に置かれている女の子の教育に焦点をあてて取り組んできました。ニジェールでは、一般的に女性の権利が限られており、このことが、女性が教育を受ける機会を制限されているという事実にも反映されています。

小学校に入学する女の子は10人に4人にすぎず、中等教育に通う女の子は10人に2人だけ。そして、高校へ進学することができるのは、100人のうち、たった3人にすぎないのです。女の子は時としてわずか9歳という幼い年齢で結婚させられ、突然教育を受ける機会が奪われてしまいます。そのため、早婚の禁止は、女の子の教育を促進するにあたって、ひとつのカギとなるのです。

これらの重要なメッセージを遠隔地のコミュニティにも広げるため、最高長マラファ氏は、グッド・コンダクト・ブリゲイズというグループをつくりました。特別な訓練を受けた男女のグループが村から村へと移動し、そこに暮らす村人たちに重要な情報を伝えていくのです。ユニセフは、移動が困難な砂漠地帯の移動を容易にするため、このグループにオートバイを提供しました。

若い女性の能力育成・地位向上を図る
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キャンペーン活動の終わりに、活発な議論やダンスに興じる女性や女の子たち。

ファガガオウ村でのキャンペーン活動が終わりに近づいたころ、村では、人々が数人ずつの小さなグループにわかれ、このキャンペーンで取り上げられた事柄について議論を始めました。

「今日、村ではHIV/エイズ、出生登録、そして男の子だけでなく女の子の教育についても話し合いました」。村の女性連合のリーダーを務めるサハマトウさんは語りました。

日が暮れてくると、人々は夜のフェスティバルで音楽を演奏するグループの周りに集まりはじめました。音楽を奏でる人たちのそばで、女の子たちが楽しそうに喜びの踊りを踊り始めています。

今日の意識啓発キャンペーンは、若い女性の能力育成と地位向上へと結びつき、やがて彼女たちの生活に変革をもたらすことになるでしょう。

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