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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ニジェール 10の村が協力しFGM/C(女性性器切除)根絶に立ち上がる


【2009年4月14日 ニジェール・ニアメ】

© UNICEF Niger/2009/ Bisin
ニジェール西部のキキ村において、FGM/Cの根絶を公言する人々。

ニジェール西部の10の村は、女性性器切除(以下、FGM/C)の根絶を目指し、チラベリー地域の全ての住民に向けて、少女の命を奪う恐れのあるFGM/Cの実施をやめるよう、広く呼びかけることを決定しました。

「私たちは、村からFGM/Cを絶対に根絶することを決意しました。そして、近隣の村々にもFGM/Cをやめるよう引き続き呼びかけていきます。」と、村長のひとりであるバボボウ・パナさんは宣言しました。

「ユニセフは、女性と女子の権利の深刻な侵害であるFGM/C根絶するために、ニジェールの権威者によるこの公式な宣言を非常にうれしく思います。FGM/Cは、女性と女子のリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に悪影響を及ぼし、学校へ通うことも困難になります。この宣言は、勇気ある行動であり、国にとっての重要な前進です。」と、ユニセフ・ニジェール事務所のアキル代表は話しました。

地理的、民族的な差異
© UNICEF Niger/2009/Bisin
キキ村でのFGN/Cの根絶を祝う女性たち。

2008年に発表された政府調査によると、ニジェールでは、1998年〜2006年の間に、FGM/Cの実施率が5.8%から2%へと半分以上の減少が見られました。しかし、こうした統計は地理的、民主的な差異を隠してしまっているのです。

チラベリー地域のディファとニアメは、FGM/Cの実施率が最も高くなっています。マリの国境近くのニジェール西部に住む女性の約66%がFGM/Cを経験しました。

FGM/Cは一般に、麻酔なしで実施され、少女に極度の痛みと精神的ショックを与えます。それは、長引く出血、HIV感染リスクの向上、不妊症、そして死に至る結果ともなりうるのです。また、施術を受けた少女や女性は、出産時により大きなリスクを伴います。こうした合併症は、母親や子どもにとって、死亡や身体障害となる可能性を高めるのです。

ニジェールでは毎年、妊娠や出産に関係する問題で亡くなる女性が10万人中650人にものぼります。これは、平均すると、2時間に1人の女性が亡くなっているということなのです。

それはとても悪いことです
© UNICEF Niger/2009/ Bisin
コムポア・タムパさんは以前、FGM/Cの施術者でしたが、今ではFGM/Cが少女と女性にもたらす健康被害を認め、施術をやめることを決めました。

マリアマ・ロムポさんは、FGM/Cの根絶を公式に宣言した村のひとつ、キキ村に住んでいます。彼女は、自分の娘のために、FGM/Cに反対する決心をしたことを誇りに思っています。

「私は自分の娘にFGM/Cを施したくはありません。なぜなら、それはとても悪いことだからです。FGM/Cは家族に不幸をもたらし、出産時には問題を引き起こすのです」と、マリアマさんは話します。」

コムポア・タムパさんは以前、FGM/Cの施術者でしたが、今ではFGM/Cが少女と女性にもたらす健康被害を認め、施術をやめることを決めました。

「私は悪い仕事(FGM/Cの施術)をすることをやめました。なぜなら、私たちの村にとって何も良いことはないからです。私たちは、FGM/Cが女性にとって良いことであり、女性に成功をもたらすものであると思っていました。でも、そうではなかったことに私たちは気付いたのです」と、コムポアさんは話します。

ニジェールの成功

1992年から、ユニセフとニジェール政府は、NGOの「ニジェールの伝統的慣習に関する委員会(CONIPART)」とともに、少女と女性の健康、尊厳の保護に取り組んできました。2003年、ニジェールは伝統的慣習に関する法律制定に成功し、その結果、妊娠と出産に関する指標の向上に大きく貢献しました。

2007年、CONIPARTとそのパートナーは、チラベリー地域における10の村々で、積極的な社会変容戦略を開始しました。18ヶ月の間に、約13,000のコミュニティーの人々を巻き込み、FGM/Cをはじめとする伝統的慣習の悪影響について新たな認識を広め、そうしたものを変えていくことの重要性を伝えました。

女性と男性の間、また、世代間の対話の促進というこのアプローチは今年、ニジェールの新たな10の村々においても実施される予定です。

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