メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南アフリカ: FCバルセロナが親善試合でみせた子どもたちのためのゴール

【2007年6月22日 南アフリカ・プレトリア発】

© UNICEF video
FCバルセロナのクラブマネージャー アルバート・ペリン氏(写真右)から募金を受け取る、ユニセフ南アフリカ事務所マチャリア・カマウ代表写真左)。

5万人の熱狂的な観衆で埋まった、南アフリカ・プレトリアのロフタススタジアム。会場には、スペインのフラメンコやアフリカの太鼓のリズム、そして、「サッカーの美しい騒音」と呼ばれる南アフリカ特有のトランペット(エアホーン)「vuvuzela」が鳴り響きました。

しかし、このスタジアムでプレーされたのは、単なるサッカーの試合では無く、また、会場を埋めた観衆も、この試合を通じ、有名なサッカー選手たちの妙技のみならず、彼らが発したメッセージにも魅了されたのです。

2010年のFIFAワールドカップでホストを勤める南アフリカが初めて開催した、FCバルセロナと地元のチーム、マメロディ・サンダウンズとの親善試合。ハーフタイムには、世界最大級の金鉱山会社のひとつ、アフリカレインボーミネラルズ社のモトセペ会長から、ユニセフ南アフリカ事務所に75万ランド(約10万7000ドル)の募金の小切手が手渡されました。こうした「地元企業」による寄付は、南アフリカにおけるユニセフの歴史の中でも、前例の無い出来事でした。

知られざるエイズの被害者=子どもたち

今回の親善試合が開催されたスタジアムのすぐ外では、多くの子どもたちがエイズによって様々な困難に陥っている状況が広がっています。バルサがユニセフのロゴを胸に入れた理由と同様、アフリカレインボーミネラルズ社からのこの募金は、ユニセフが推進する「子どもとエイズ」世界キャンペーンに使われます。

© UNICEF video
親善試合では、2対1でFCバルセロナが勝利。

南アフリカのような中所得国でさえ、子どもの死亡率が過去10年で約2倍に悪化しました。HIV/エイズが主な理由です。アフリカ南部の病院では、息も絶え絶えの状況にあるHIV陽性の赤ちゃんの姿を目にすることは珍しくありません。そして、こうした子どもたちの大半は、とても短い一生を終えざるを得ない状況におかれているのです。

南アフリカは、世界で最もHIV感染率が高い国のひとつです。小さな内陸国のスワジランドのような国では、エイズで親を失った子どもや、そうした子どもたちの世話に窮する祖父母の数が驚異的な勢いで増加しています。子どもたちや国の未来が脅かされているのです。

「新たな認識」と「新たなサッカーファン」

「クラブ以上の存在」というスローガンに本当の“意味”を与えるべく、FCバルセロナは、今後5年間にわたり、毎年190万ドルをユニセフへ提供。スワジランドをはじめとする国々で、HIV/エイズの諸問題の解決のために使われます。

FCバルセロナのユニフォームにユニセフロゴが入ってから、Tシャツをはじめとする「バルサグッズ」への需要が増えているようです。アフリカで最も有名な人物、ネルソン・マンデラ氏でさえ、ユニセフのロゴ入りのユニフォームを手に入れようとしていました。今回のツアー期間中、FCバルセロナ一行は、マンデラ氏を訪問。彼のために特別に仕立てたユニフォームをプレゼントしました。マンデラ氏は、「ユニセフの隣に私の名前が書かれているなんて!」とたいそう喜んでいらっしゃったそうです。

地元チーム、マデロディ、サンダウンズとの白熱した試合に、2対1で勝利したバルサの選手たち。彼らが南アフリカに残したのは、「バルサ・グッズ」だけではありません。彼らは、バルサファンに、「新たな認識」も残したのです。こうした認識が広がることで、虹の国、南アフリカで、HIV/エイズによって厳しい状況にいる子どもたちに向けた支援が広がるはずです。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る