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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ソマリア:アフゴイ回廊への避難を余儀なくされた人々への支援

【2009年11月24日 ソマリア発】

© UNICEF video
ソマリアでの武力紛争によって避難を余儀なくされた人々のために行われた保健の日キャンペーンで、予防接種を受ける子ども。

ソマリアの首都モガディシュから西に30キロ続くアフゴイ回廊と呼ばれる一帯は、世界でも最も避難民が密集する地域です。このアフゴイ回廊で初めて、避難を強いられている子どもと女性たちへの保健の日キャンペーンが実施されました。

ユニセフと世界保健機関(WHO)が、地元当局、NGO組織と密接に協力して行っているこのキャンペーンは、ソマリアの子どもたちの生存を促進するために進められている全国的なプログラムの一環です。ソマリアは、5歳の誕生日を迎える前に命を落とす子どもの割合が7人にひとり。また定期予防接種普及率は世界で最も低くなっています。

この全国的なキャンペーンは、ソマリアの全ての5歳未満児にはしか、ポリオ、下痢性疾患、百日咳、破傷風の予防接種と、ビタミンA補給剤、害虫駆除剤を提供し、さらに子どもたちの栄養状態を調べることを目的としています。

保健の日キャンペーンの間、栄養不良の子どもたちには食事治療プログラムが行われ、出産年齢期の女性には、新生児破傷風の予防接種が実施されます。また、保健パックも配布されますが、このパックには下痢性疾患を治療するための経口補水塩と浄水剤が含まれています。

困難の克服

ソマリア南部と首都モガデシュでの武力紛争のために、現在、52万4,000以上の人々がアフゴイ回廊での避難生活を強いられています。避難を余儀なくされた人々は厳しい生活状況を強いられており、その多くは、基礎的な社会サービスも受けていない状況です。

「ここの状況は、非常にひどいものです。」6人の子どもを持つファドゥモ・バロウ・モハメドさんはこう話します。「私達は家まで来て保健サービスを提供してくれる人々にとても感謝しています。子どもたちは体調が悪く、下痢をしたり、はしかに罹ったりしていました。でも今は、子どもたちが元気になると希望を持っています。」

5日間にわたってアフゴイ回廊で行われたこのキャンペーンは、少なくとも4万6000人の5歳未満の子どもたちと3万7,000人の出産年齢期の女性へ保健サービスを届けました。200人以上の予防接種医と300人以上の保健員がキャンペーンに携わり、道路や水道、電気などの設備が不十分で、適切な保健施設もないこの地域での大規模なキャンペーン実施に貢献しました。

「一軒一軒家を訪問して、人々にこのサービスの恩恵を受けるよう薦めました。初めのうちは、予防接種を受けることを躊躇する人もいますが、あきらめませんでした。何度も家を訪れて、予防接種は子どもたちの健康に良いものだということを説得して回りました。」保健員のハオ・イスロウ・アブディさんは話します。

重要な支援

子ども保健の日キャンペーンは2008年12月にソマリアでスタートしました。第一回目のキャンペーンでは、100万人以上の子どもたちと80万人の女性がこの恩恵を受けました。しかしながら、政情不安のために、アフゴイ回廊とベナディル地域は第一回目のキャンペーンのときには、支援地域ではありませんでした。

「ユニセフがパートナーと協力して行ったアフゴイ回廊での大規模なこのキャンペーンは、ソマリアの最も厳しい地域でも支援を行うことができるということを証明しました。」ユニセフ・ソマリア事務所のロザン・カールトン代表は話しました。

「アフゴイ回廊は、ソマリアの中でも人道的なアクセスが非常に難しい地域のひとつです。しかしながら、このように人口密度が高い地域でこそ、人道支援活動が非常に重要な影響をもたらすのです。従って、アフゴイ回廊で子ども保健の日キャンペーンを実施することは鍵となる優先事項でした。そして、コミュニティとユニセフ、また多くのパートナー団体が協力した結果、最も弱い立場にある子どもたちと女性はとても大切なサービスを受けることが出来ました。」(ロザン・カールトン代表)

保健の日キャンペーンは、子どもの生存の促進と予防接種率を高め、また、コミュニティの公衆衛生サービスを促進するために6ヵ月ごとに行われています。このキャンペーンによって、ソマリアの定期予防接種普及率には、すでに改善が見られています。

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