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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

2005年1月12日掲載

津波の被害にあった子どもたちを学校に戻そう
<スリランカ>

復興・再建プロセスの第一歩——学校再開に向けた支援活動が始まる

 年末に起きたスマトラ沖地震により発生した津波におそわれた地域に住む8,000人のスリランカの子どもたちが、本日1月10日、ユニセフが提供した緊急の「スクール・イン・ア・ボックス」を使って、授業を再開します。これは、津波の被害にあったすべての子どもたちを、いち早く学校に戻すための全国的な取り組みの第一歩です。被害にあわなかった学校でも、冬休み明けの今日、新学期が始まります。

「今回の大災害は、子どもたちの生活を一変させてしまいました。彼らを学校に戻してあげることが、心や身体に大きな傷を負っている子どもたちにとって一番効果的な方法なのです」ユニセフ・スリランカ事務所代表のテッド・チャイバンさんは述べています。「ユニセフは、すべての子どもたちをできるだけ早く学校に戻すため、教育省を支援しています」

深刻な被害を免れた学校の多くは、他の地域と同様に今日から授業を再開しますが、学校が被害を受けて授業を受けられない生徒は、被害を免れた近隣の学校に通うことができるよう配慮されています。

7万7,000人の子どもが通っていた170余りの学校が、全壊、または一部損壊の被害を受けています。また、260校を超える学校が、津波で住む家を失った30万人近くの被災者の避難所になっています。学校を再開するには、ここに避難している人たちが適切な設備とサービスが整った、安全な避難場所を他に見つけなければなりません」とチャイバンさんは訴えています。「避難所の移動については、被災者と一緒に進めていく必要があります。特に保護者をなくしたり、保護者と離れ離れになってしまった子どもなど、特に弱い立場にある人々に対する特別な保護措置も必要です」

生徒80人と教師たちに必要な分の教材や文房具が入っている「スクール・イン・ア・ボックス(教育キット)」100セットが、スリランカ国内でも最も被害の大きかった、ガル、アムパラ、ムライティブに配られました。さらに約3,000セットが、教室に必要な基本的な備品やテントとともに、被災した学校や被災地区に配られる予定です。「ユニセフは、1月25日までに計20万人の子どもに学用品を届けるべく、活動を続けています」とチャイバンさんは述べました。

「緊急用の教育キットは、子どもたちができるだけ早く学校に戻れるようにするための大切な第一歩です。学校の修復、再建といった遠く長い道のりの第一歩なのです」

ユニセフ・スリランカ事務所では、地震発生後数時間以内に被災地区にいる現地スタッフが活動を開始しました。ユニセフは、緊急事態に備えて物資を備蓄していた倉庫を空っぽにして、南部・北部・東部地域の被災者に送り届けました。ユニセフは、災害発生から6日以内に15万人分の医療品を提供し、現在は、推定50万人にもおよぶ避難民にきれいな水と緊急の衛生用品を届けています。ユニセフは関係当局と協力して、保護者を亡くしたり、保護者と離ればなれになってしまった子どもの身元確認と登録を行い、必要な保護を提供し、こうした子どもたちが親類縁者と再会できるよう支援しています。そのほか、トラウマに苦しむ子どもたちが子どもらしい生活を取り戻せるよう、スポーツや遊び道具が含まれるキットの配布も行っています。

2005年1月10日
ユニセフ・スリランカ事務所

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