「買春」の犠牲 自立へ職業訓練支援
<タイ>
タイは、首都バンコクのように超高層ビルが建ち並ぶ大都市もあれば、北部、東北部のように児童労働によって人権が奪われる子どもが多い貧しい地域もあります。大人の「買春」の犠牲になる子どもはこの地域出身が多いのです。
バンコク郊外の国立保護・職業訓練センター。ブルーのワイシャツに紺のプリーツスカートという制服の女の子たちは普通の中学生、高校生に見えますが、どの子も買春の犠牲になり心と体に傷を受けています。
ここでは美容、理容、小物づくりなどの職業訓練が行われています。収入を得る能力を身につけないと、また「買春」に頼らざるをえなくなるからです。「防ぐ」ためのユニークなプログラムとして、ユニセフはバンコクの六つのホテルと協力し、北部、東北部に住む貧しい女の子たちにホテルで職業訓練を行っています。
北部出身のイムは19歳。学校の先生に勧められ二年前にこの訓練を受けました。今はパンパシフィックホテルの日本レストランで働いています。自分で着物を着られるし、丁寧な日本語を少しだけ話せます。週末には高校三年生の課程を学校外教育センターで学んでいます。
このホテルにはイムと同じような女の子が4人います。こうした取り組みは児童労働を解決する一つの小さな試みに過ぎませんが、女の子たちに職業訓練を行い、きちんと自立して生きてゆける力を身につけることを目標としているところに意義があります。「児童労働」は貧困から生まれる根深い問題ですが、ユニセフは子どもを守る活動をしているNGOなどと協力して、児童労働の害から子どもたちを守るための事業を行っています。
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