メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

水道引かれ 安全な飲み水確保
<ベトナム>

<2001年10月22日 信濃毎日新聞掲載>

 ベトナム北西部。深い山間の村バンパでは、田園風景が広がり、緑の山々の間を流れる小川のせせらぎが、涼しげに聞こえています。子どもたちが、明るく元気に遊び回っている姿も見られます。

 一見、素晴らしい環境に恵まれているように見えるバンパ村ですが、実は子どもたちの健康を守るために大変苦労してきたのです。子どもたちには十分な食事が与えられ、予防接種を受けているのですが、安全な飲み水が十分ではありませんでした。そのため、毎年多くの子どもが病気にかかっていたのです。中にはひどい下痢になって亡くなった子どももいました。

「私の息子は、もう何回病気になっているのか分からないわ」

「毎年、必ず一度は重い病気にかかるのよ」

 しかし、このようなお母さんたちの心配も、昨年ついに解消されました。きれいで安全な飲み水が、この村でも手に入るようになりました。ユニセフによって、きれいな水を得るためのシステムが導入されたのです。

 地方政府の責任者、ユニセフのスタッフによって会合が開かれ、村の住民に対して新システムの説明が行われました。それは、郊外にある安全な水を、長い水道管を使って貯水槽まで引くというものでした。そして、その貯水槽から村に水を引きます。人々はその計画に大いに賛成し、建設作業に加わることになりました。

 きれいな水が手に入るようになってから、村の子どもたちは、健康的になり、病気にもかかりにくくなりました。病気が悪化して死亡してしまう子どもの数も減りました。「もし、きれいな水が村全体に行き渡れば、子どもたちは今までにないくらい健康で、元気に暮らしていけるわ」

 安全な水が飲めるようになって、一番喜んでいるのは、生後5ヵ月のフングちゃんのお母さんでしょう。フングちゃんは、生まれた時からきれいな飲み水が保証されている、バンパ村で初めての子どもなのです。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る