|
|
水道引かれ 安全な飲み水確保
|
ベトナム北西部。深い山間の村バンパでは、田園風景が広がり、緑の山々の間を流れる小川のせせらぎが、涼しげに聞こえています。子どもたちが、明るく元気に遊び回っている姿も見られます。
一見、素晴らしい環境に恵まれているように見えるバンパ村ですが、実は子どもたちの健康を守るために大変苦労してきたのです。子どもたちには十分な食事が与えられ、予防接種を受けているのですが、安全な飲み水が十分ではありませんでした。そのため、毎年多くの子どもが病気にかかっていたのです。中にはひどい下痢になって亡くなった子どももいました。
「私の息子は、もう何回病気になっているのか分からないわ」
「毎年、必ず一度は重い病気にかかるのよ」
しかし、このようなお母さんたちの心配も、昨年ついに解消されました。きれいで安全な飲み水が、この村でも手に入るようになりました。ユニセフによって、きれいな水を得るためのシステムが導入されたのです。
地方政府の責任者、ユニセフのスタッフによって会合が開かれ、村の住民に対して新システムの説明が行われました。それは、郊外にある安全な水を、長い水道管を使って貯水槽まで引くというものでした。そして、その貯水槽から村に水を引きます。人々はその計画に大いに賛成し、建設作業に加わることになりました。
きれいな水が手に入るようになってから、村の子どもたちは、健康的になり、病気にもかかりにくくなりました。病気が悪化して死亡してしまう子どもの数も減りました。「もし、きれいな水が村全体に行き渡れば、子どもたちは今までにないくらい健康で、元気に暮らしていけるわ」
安全な水が飲めるようになって、一番喜んでいるのは、生後5ヵ月のフングちゃんのお母さんでしょう。フングちゃんは、生まれた時からきれいな飲み水が保証されている、バンパ村で初めての子どもなのです。