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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち 緊急支援情報

緊急支援情報

東ティモール緊急募金の受付を終了しました。
ご協力ありがとうございました。

2000年12月20日

受付は終了しました

当協会は、東ティモールの子どもと家族を支援する「東ティモール緊急・復興募金」の受付を、3月末日をもって終了しました。99年10月の受付開始以来、日本国内の支援者の皆様からのご寄付は1億6758万 3475円に達しました(2001年2月末現在)。温かいご支援に心より感謝申し上げますとともに、援助活動の概要をここにご報告致します。

支援の概要

日本の皆様からのご支援は、ユニセフ東ティモール事務所の実施する緊急・復興援助のうち、教育、保健、水と衛生の各分野における事業に有効に使わせて頂きました。実施した活動の要約は次の通りです。

◇教育

騒乱の発生前も教育支出の不足等により教員の訓練が不足し、学校運営の効率性や教育の質の低下が懸念されていました。1999年の住民投票後の騒乱では、学校やその他の教育施設の95%が破壊され、備品や資材が略奪されたり焼き払われたりしました。教員の20%、インドネシア国籍の中学教員の80%が西ティモールや山岳地域に避難したことで状況はさらに悪化しました。

学校の基礎的なインフラを再建し、教材・教具の提供を行い、教員を学校に呼び戻して訓練を行うことが、ユニセフの緊急援助の優先課題となりました。教員の 97%がこれまでに正式な訓練を受けたことがありませんでした。ユニセフはUNTAET(国連東ティモール暫定統治機構)やCNRT(ティモール抵抗民族評議会)と協議し、1)教員に対する奨励金の給付、2)学校の修復、3)教材・教具の提供、4)教員の訓練等のプロジェクトを実施しました。

  1. 教員に対する奨励金
    奨励金の額は当初月額15万ルピアで、2000年4月に30万ルピアに引き上げられました。プロジェクト開始最初の月(99年12月)には1233人の教員が小学校に復帰し、翌1月には6399人に増加しました。6月末には6900人の教員が毎日少なくとも3時間の授業を実施できるようになり、752の小学校で17万人以上の子どもが学ぶようになりました。この数は就学年齢児の95%に当たります。このプロジェクトの資金の25%は日本からの支援から充てられました。
  2. 学校の修復
    ユニセフは、いち早く学習の場の居住性を高めるために教室の修復を支援しました。2000年12月末までに、小学校200校1000の教室の屋根の修復を終えました。また、トイレと給水設備の修復を30の学校で行いました。日本からの支援は、このプロジェクトに必要な建設資材の調達、輸送車両手配、資材配布、モニタリングなどに充てられました。
  3. 授業・学習資材
    鉛筆、ノート、教材・教具の入った教育セットを1200セット(子ども9万6000人分)配布しました。その他に、教具セット1200、レクリエーションセット400、黒板2000を配布しました。これらの提供された資材は、教員6700人、子ども17万人によって使われます。
  4. 教員訓練
    教員に対して、1)効果的な授業の進め方や子ども中心の学習アプローチ、2)検眼法、3)幼児期の栄養や就学前教育、に関する訓練を行いました。
©UNICEF

◇保健・栄養

99年の騒乱により保健施設の77%が破壊され、東ティモールの医師135人のうち20人だけが東ティモールに残りました。東ティモールの保健事情は世界で最も遅れた地域の一つで、乳児死亡率は1000人当たり85人に達します。ユニセフは危機に対応するため、1999年10月〜12月に保健・栄養関連の援助物資を配布し、2000年には支援の重点を緊急救援から復興に移し、1)中央薬局と中央試験所の再建、2)予防接種、3)妊産婦の保健、4)栄養、等の分野において主導的役割を果たしました。

©UNICEF
  1. 中央医薬品センターと中央試験所の再建
    全国の診療所に医薬品や保健資材を供給する中央医薬品センターを整備するため、ユニセフは医師用キット、小規模の手術キット、公衆衛生看護キットなどの基礎物資を提供し、全国60ヵ所にある診療所や移動診療サービスで使えるようにしました。
  2. 予防接種と幼児保健
    ユニセフは各地の診療所で予防接種を実施できるようにワクチン、注射器などを提供し、これまでに5万人以上の子どもがBCG、DPT、ポリオ、はしか、破傷風の予防接種を受けました。また、飲料水運搬ケース5万6000個、乳児用衛生キット2万4500個、乳児用の毛布5000枚、蚊帳6万枚を配布しました。
  3. 妊産婦の保健
    ユニセフは保健分野のNGOを通じて、東ティモールのすべての助産婦に「助産キット」を提供しました。
  4. 栄養
    このプログラムでは、女性と子どもに多い鉄、ビタミンA、ヨウ素の不足に対する取り組みが行われました。これらの微量栄養素は、中央薬品センターから基礎医薬品セットとして各診療所に提供されました。

◇水と衛生プログラム

©UNICEF

東ティモールではインドネシア統治下時代、清潔な水を入手できた住民の割合は半分以下で、適切なトイレを使えた住民はさらに少数でした。住民投票後の騒乱によるインフラの破壊で、水と衛生の施設の大部分が破壊されました。ユニセフの水と衛生プログラムはディリ、ウルメラ、マナトゥトの3県で重点的に行われ、井戸の修復、雨水槽の設置、トイレの修復と新設が進められました。

ユニセフはディリ県内で893の手押しポンプの提供と、掘り抜き井戸10ヵ所の設置を行いました。またセメントの提供等を通じて、家庭用トイレを2247 世帯に設置するのを支援しました。また、衛生キットや飲料水運搬ケースの配布も進めました。

日本からの支援では、マナトゥト、ウルメラの両地区の給水システム修復のための、給水管、水槽、検査キットと備品を提供することができました。

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