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緊急支援情報UNICEFトルコ大地震支援経過報告2001年3月1日 受付は終了しました 概略
8月17日及び11月12日にトルコを襲った大地震により18,100人が亡くなり、4万9,000人以上が負傷しました。被害はコカエリ、サカリヤ、ヤロバの4州に集中しており、この州の人口はトルコ全体の4.3%を占めます。 トルコ政府当局によると99年12月28日現在、109のテント村に13万2750人、仮設のプレハブ住宅に52,020人の住民が避難生活を送っていますが、寒さが厳しさを増す中プレハブ住宅の建設が促進され、人々はテント村からプレハブ住宅に徐々に移りつつあります。最終的には、政府によって3万5000戸、民間部門によって1万2000戸の仮設プレハブ住宅設置が計画され、これまでに政府計画の72%、民間部門計画の37%が終了しました。 ユニセフの活動 ユニセフはトルコ政府とともに、約15億円規模のプログラム「トルコの子どものための復興計画(Recovery Plan for Turkish Children = RPTC)」を策定しました。このプログラムでは、1)水と衛生、2)保健と栄養、3)教育、4)社会心理的サポートなどの分野で支援活動が行われます。 予算(総額:1420万米ドル) ●水と衛生 ユニセフは、テント村や仮設住宅の地区にて安全な飲み水の提供、トイレなどの衛生施設の設置を進めています。アダパザリ州ではユニセフの提供する15の大型水タンクが稼動しており、毎日10万人の住民に対して飲料水を供給しています。また、これまでに浄水錠剤280万錠の提供も行いました。地震による被害の特に大きいボル、コカエリ、サカリヤ、ヨロヴァ州内の12のテント村に、トイレ、温水シャワー、給水タンクが組み込まれた給水・衛生ユニットを設置し、7万2000人の住民がこれを利用しています。 ●保健と栄養 ユニセフは保健省と協力して、被災地域の子どもを対象に予防接種の拡大と栄養状態の調査・改善に取り組んでいます。すでに50万人分のはしかワクチンを調達し、これまでにイズミット、サカリヤ、ゴルカック、ヤロバの子ども13万4500人に対する接種を終えました。 また、ユニセフは保健省等とともに子どもの栄養状態に関する調査を実施、就学前児童の17.2%が慢性的な栄養不良にかかっており、1年前の調査時より急激に状況が悪化していることが分かりました。低体重児の割合は11.5%、重度の栄養不良児も3.8%に上昇しています。 11月29日、被害の大きなイズミットに高たんぱくビスケット40トンが運搬され、ユニセフは79の小学校を通じて37,800人の児童に、保健センター等を通じて8,600人の妊産婦、乳幼児を持つ母親などに配布しました。今後5ヵ月にわたり、被災地域の子どもや母親15万人に対して、計90トンの栄養補助食品を提供し、1日に必要な栄養素(たんぱく質、ビタミン、ミネラル)の33%をまかないます。 就学前児童の栄養不良傾向
●教育 調査によると、被災地域の学校校舎の約3割が被害を受け、教室の不足が深刻化していることもあり、現在地震発生前に比べ半分の子どもしか学校に通っていません。ユニセフは教育活動再開を支援するために、教材・教具やレクリエーション用具1700セットの提供を行い、ボル、コカエリ、サカリヤ、ヤロバ各州の7万6000人の児童に順次配布します。 ●社会心理的サポート 今回の震災によって心に大きな傷を負った子どもに対する社会心理サポートを行うために、ユニセフは3段階の支援プログラムを実施しています。第1段階では、ユニセフの心理学専門家が現地の専門家、心理学者、学校カウンセラーを対象に、社会心理的サポートに関する専門的な訓練を実施、第2段階では289人の学校カウンセラーが続けて訓練を受けました。続く段階では、計6,689人の教員がその学校カウンセラーによる研修を受け、教育現場で直接子どもの心を支援する活動に従事します。このプログラムによって、24万人の子どもが平常心を取り戻すためのサポートを受けることになります。 各国からの支援
緊急募金のお願い 日本国内においては、財団法人日本ユニセフ協会(東京都新宿区 会長:澄田 智)が、トルコ大地震の被災者に対するユニセフの緊急援助を支援する緊急募金の受付けを行いました。 当協会への募金は寄付金控除の対象となります。 お問い合わせ:(財)日本ユニセフ協会 協力事業部(TEL:03-5789-2012) |