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財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

すべての子どもたちに教育を

氏名:時岡 ゆき
派遣先:バングラデシュ事務所(Education Section)
派遣期間:2008年4月〜8月

バングラデシュの小学校では低修了率が課題となっています。ユニセフはスタイペンド(奨学金)プログラムに出資しており、このプログラムは貧しい子どもたちに奨学金を与えて、就学率、出席率、修了率、教育の質を向上させることをねらいとしています。

私の主な活動は、スタイペンドプログラムに関する文献を読んで整理し、フィールドリサーチを一ヶ月ほど農村で行い、そのプログラムが女子退学率減少に貢献しているかどうかを明らかにするというものでした。私がデータ収集のため学校調査に行ったところ、子どもが週二回開催されるバザール出店のために借り出され、子どもたちが教育を失う機会を奪われる現場をまさに目の当たりにしました。

今回の調査によると、研究対象地域においてスタイペンドプログラムは女子退学率減少に効果が見られませんでしたが、研究結果から教師の出席率が女子の出席率に直接的に関わっており、女子の退学率と留年率にも間接的に関わっていることが明らかになりました。そこで、子どもたちに単に奨学金を与えるだけでなく、教師の出席管理を含めた学校経営にも着目しながら総合的に問題を改善していく必要があると提言しました。

今回のインターンを通して、ユニセフスタッフから時間の有効活用法や、仕事に対する取り組みや姿勢などを学ぶことができました。また、日本人はシャイな人が多いと思いますが、なるべく多くの人と話す機会を設けて知識を深めていったり、ネットワークの構築に励むべきだと思います。

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エイズ小児病棟でのピエロ披露

氏名:林 真樹子
派遣先:カンボジア・プノンペン事務所 (HIV/AIDS Section)
派遣期間:2008年1月〜3月

カンボジアにおけるHIV感染率は1998年を境に今日まで減少し続けています。2007年(NCHADS)の統計によると、100人に1人のカンボジア人がHIVに感染しています。しかしながら、HIVはあらゆる感染ルートで未だにその感染を拡大し続け、感染者半数の人口は女性が占め、また三割は母子感染です。その背景には、未だ多くの女性(未婚、既婚)がカンボジアでは弱い立場に立たされていることと関連しています。

私はプノンペン事務所のHIV/AIDSセクションチームの一員として主に二つの活動に携わりました。一つ目は、HIV/AIDSに関する意識と知識向上を目的とした広報活動、そして二つ目にHIV感染者の中でも母子感染をした幼児が通院、入院する小児病棟での一種の治療方法として用いられる「ピエロ」を活用した新しいプロジェクトでした。更に、本プロジェクトの第一次評価を自ら行うという経験もさせていただきました。西洋ではおなじみのピエロを病棟で一種の治療法として使用するピエロパフォーマンスはカンボジアという国では全く初めての試みでした。そこで、若いカンボジア人を訓練し、カンボジア人自らが自国の文化や社会的習慣に適応する様々な演出方法を工夫し、エイズ治療に訪れる子どもたちや入院をしているエイズ幼児のために披露をしました。私は本プロジェクトの立案過程から、プロジェクト対象となる病院の選択、一緒に活動するピエロたちと共に演出方法の工夫を試行錯誤し、そして一次評価まで係わり、プロジェクト全体を見ることが出来大変有意義な経験となりました。

評価の結果、現時点では資金確保、文化社会的観点から数多くの問題点が存在しますが、カンボジアでは病院の施設が非常に乏しく、更に辛い病状と治療を受けなければならないという現実を踏まえると、ピエロのパフォーマンスは子どもたちにポジティブな影響を与えていることには間違いないと思われました。

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専門分野以外にも携わり視野が広がる

氏名:永田 有花
派遣先:ケニア事務所(栄養セクション & 緊急支援対策本部)
派遣期間:2007年10月〜2008年2月

私のインターンシップでの仕事は、1)栄養不良の原因と考えられる食料・食生活の問題について情報を収集・整理・分析し、同情報を基に2)今後の栄養改善プログラムを企画する、というものでした。セクション内に同分野の仕事を行っている方がいなかったため手探り状態ではありましたが、他機関の食糧・栄養担当の方に積極的に連絡をとり、面会に行ったり関連資料を送っていただいたりして、自分なりに情報収集を行いました。そして集めた情報を基に、学校菜園や食育を盛り込んだ学校での栄養プログラムを企画し、コンセプトノートにまとめました。

また仕事とは直接関係ない分野のミーティングにも参加させていただきました。特に私のインターン期間中は食糧安全保障・栄養政策の策定最終段階にあり、同政策の作成に関われたことは大変貴重な経験となりました。

インターン終了後は、大統領選挙後の暴動に対して緊急に設置されたオペレーション・センターにて、国内避難民の情報収集にあたりました。慣れない状況での仕事ではありましたが、緊急支援時の国連の役割など、多くのことを学ぶことができました。

今回のインターンシップでは、興味のある分野で仕事ができただけれなく、様々な機関の方々と接触する機会が多く、大変視野を広げることができました。このような貴重な機会を与えてくださった本プログラムに感謝し、今後この経験を国際開発の現場で活かせるように努力していきたいです。

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