氏名 |
星野 真穂 |
派遣先 |
ブラジル事務所 |
派遣期間 |
2017年11月〜2018年2月(のち個人インターン) |
2017年11月から半年間、ユニセフブラジルの子どもの保護セクション(ブラジリア事務所)にてインターンをさせて頂きました。ブラジルは世界で5番目に面積の広い国であると同時に世界で5番目に人口が多い中所得国です。中所得国ではありますが、その広い面積の中で所得格差は広く、地域によって貧困率が大きく異なります。(貧困層が多いとされている北東地域は人口の45%が貧困ライン以下で生活する一方で、より豊とされている南方ではそれが15%以下になります 。)その上、それぞれの地域に特有の子どもの保護に纏わる問題が存在するため、ユニセフは首都のブラジリア及び他8つの都市に地域事務所を構え、活動しています。ブラジルのほぼ真ん中に位置するブラジリアは大統領府、政府機関、国際機関等が集中する計画都市であり、貧困率も他地域に比べて圧倒的に低いです。他地域を訪れる度にその街並みや生活水準の違いを目にする日々でした。
業務においては、昨今ブラジルで増え続けているベネズエラ移民の子ども達を保護するためのプロジェクトに主に携わらせて頂きました。世界最大の石油埋蔵国であり、かつてラテンアメリカで最も裕福といわれていたベネズエラですが、近年、人道的支援が必要な状況に直面しています。2017年には64%のベネズエラ人(成人)が平均して11キロも痩せてしまったほど、国民が食糧難を抱えています 。より良い生活を求めて、2017年夏頃からブラジルにやってくるベネズエラ人が急増しました。しかし、その多くは仕事に就くことも出来ず、シェルターや街中にテントを張り、日々不安定な生活を余儀なくされています。子ども達の多くは学校に通うことも叶わぬ上、不衛生、栄養不足、様々な暴力(セクシャルバイオレンス、児童労働、犯罪、麻薬・アルコール)等のリスクに日々晒されており、UNICEFとしてタイムリーな対策が必要な状況でした。実際現地で出会った14歳の女の子は、生活が不安定だから早く結婚したい、と語っていました。また、訪れたシェルターでも、保護者が不在の中、一日中一人で過ごしている4,5歳程度の小さな子どもたちにたくさん出会いました。
このような迅速な対策が必要な中で、UNICEFの一員として、実際に現地に出張し、現状把握、分析、現地のステークホルダーとの関係構築、プロジェクト案作成、プロジェクトプロポーザルの作成補助、プロジェクトローンチの初期段階まで関わらせて頂いたことはとても貴重な体験となりました。また、人道支援を行う上で迅速に子どもたちを保護するための対策を計画し、様々な人や組織に協力を仰ぎながら、それを実行する、変化を生むことのできる、UNICEFの可能性の大きさを目のあたりにしました。
インターン期間中、上司や事務所の同僚には大変お世話になりました。上司は私が現地により早く溶け込むためにもポルトガル語若しくはスペイン語のみで仕事を行い言語習得を促し、子どもの保護セクションの多くのテーマに私を関わらせてくれました。さらに、ブラジル事務所ではバディー制度を導入しており、インターンやUNボランティア(UNV)を含めた新しいスタッフにバディー(UNICEF歴が数年以上ある、自分が在籍するチーム以外のスタッフ)をつけてくれます。仕事及びプライベートの悩みも相談できるため、仕事に慣れるまで力強くサポートしてもらいました。
この様な貴重な機会を提供して頂きましたこと、厚くお礼を申し上げます。日本ユニセフ協会、ユニセフ東京事務所、在ブラジル日本国大使館、ブラジル事務所の皆様に心から感謝致します。インターン終了後は引き続きユニセフブラジル事務所にて(事務所はブラジリアからよりフィールドに近いベレン事務所に移動)コンサルタントとして勤務することになりました。インターンとして培った知識・スキル・経験を最大限に活用し、今後のアサイメントに取り組みたいと思います。
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ブラジル事務所のリトリート |
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ベネズエラ移民の子どもたちと |
- http://databank.worldbank.org/data/download/poverty/33EF03BB-9722-4AE2-ABC7-AA2972D68AFE/Global_POVEQ_BRA.pdf [Accessed 30 Apr. 2018].
- https://brasil.elpais.com/brasil/2018/02/22/internacional/1519277784_904681.html [Accessed 15 May. 2018].
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