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国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

画像:ナミブ砂漠にて(藤村真耶さん)ナミブ砂漠にて(藤村真耶さん)

(公財)日本ユニセフ協会では、日本人の大学院生を対象にUNICEF現地事務所でのインターン研修を行う「海外インターン派遣事業」を実施しています。UNICEFナミビア事務所でインターン中の藤村真耶さんから、現地リポートが届きました!

2019年7月からUNICEFナミビアオフィスの保健部署でインターンをしている、藤村真耶と申します。

ナミビアは現在40年ぶりに最悪の干ばつが起こっていて、この干ばつに対して大統領は5月に緊急事態宣言を出しました。UNICEFナミビアオフィスがある首都のWindhoek(ウィンドフック)でも、貴重な水を大切に使うようにという張り紙が彼方此方に貼られているのが目につきます。干ばつの影響は特に北部地域が深刻で、人々の食糧確保の悪化がみられます。これにともなう各世帯の食料不安や衛生状態の不良が増し、またHIVなどを患っている人の栄養不良率が高くなりつつあります。栄養不良による下痢感染の増加に伴い、特に体力のない子どもや妊娠中および授乳中の母親は健康リスクが増している現状があります。

7月末、ウィンドフックから200km東のオマヘキ(Omaheke)地区ゴバビス(Gobabis)市へフィールドトリップに訪れ、ゴバビス市病院を訪問し、また貧民街でのコミュニティ・ヘルス・ワーカー(地域保健員/CHW)の活動を見学しました。

貧民街でのCHWの活動を見学して驚いたことは、一人一人のCHWの活動の広さでした。CHWは全員女性で、一人で200 - 500世帯を担当していました。彼女たちは毎日、妊婦の健康状態のチェックや浄水タブレットの配布など、健康の予防対策を行っています。CHWの人数は少なく課題はまだ多いですが、彼女たちの活動により、着実に地域の母子死亡率の低下やE型肝炎患者の早期発見がなされています。また出産のためのクリニックへの予約などのフルサポートを行うことで、母子の健康を保つことが出来るようになっています。

今回の訪問で特に印象的だったのは、妊婦専用のコミュニティホームでした。ナミビアは農村地域や貧しい地域が広く、病院へのアクセスが良くありません。そのため出産間近の妊婦たちが安産を目的に病院まで長距離を移動したり、また出産が始まるまで、病院やヘルスクリニックの前で衛生状態が悪いテント暮らしを行っています。その結果、母子の死亡ケースは少なくはありません。このような避けられた死亡ケースを改善するため、この地域では産科待合ホームが設立されています。出産前後でも待合ホームで過ごすことが出来、ここには、助産師や医師および麻酔科医が常駐していて、ヘルスクリニックの設備も利用可能な環境になっています。この活動により母子の死亡率が加速度的に減少しています。今回のフィールドワークにおいて、コミュニティレベルでの公衆衛生の大切さを改めて強く感じました。

レディ・ポハンバ産科待合ホームの中の整備。
妊婦のためのベッドやベーシックな医療機器が置いてありました。

UNICEFナミビア事務所
インターン
藤村 真耶

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