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財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフ緊急保健キットの中身は・・?

コペンハーゲン、2001年9月27日(ユニセフ)

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緊急事態が発生したときには、現地で難民や避難民の人びとの健康を守るための保健用の緊急支援物資が必要になります。ユニセフは必要なものを使いやすいようにまとめた緊急保健キットを開発し、それを一刻も早く現地に届けられるようにしています。今回のアフガニスタンにもこの緊急保健キットが届けられています。一体中にはどのようなものが入っているのでしょうか?
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 ほとんどの緊急事態において、ユニセフは緊急保健キットの提供を支援活動の柱のひとつにしています。基本的な医療用具と薬品が入った保健キットは、コペンハーゲンにあるユニセフの倉庫に常備されており、1つあれば1万人を対象にした基本的な保健サービスを3ヶ月続けることができます。しかもこれにかかる費用はひとり当たりわずか50セントです。キットひとつあたりの費用はおよそ5,000ドルです。ユニセフは昨年だけで、様々な緊急事態やその他の状況に直面している以下の国々に、2000セットの緊急保健キットを届けました。アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カメルーン、コンゴ、コートジボアール、コンゴ民主共和国、エチオピア、ギニア、インドネシア、カザフスタン、ケニア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、マダガスカル、モーリタニア、モザンビーク、ナイジェリア、パキスタン、ロシア連邦、スーダン、タジキスタン、トルクメニスタン、ユーボスラビア、ザンビア。そして今は、アフガニスタンの国内避難民を支援するために、数百セットの保健キットを送ることを計画しています。
 このキットは、ユニセフ、世界保健機関(WHO)、国連人口基金(UNFPA)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、それに国境なき医師団や赤十字国際委員会などのNGOが協力して開発しました。災害や災難の直後に医療施設のない場所で、家を追われた人びとに基礎的な保健サービスを提供することが目的です。キットは基本ユニットと補助ユニットにわかれ、医薬品と医療器具のセットが詰められています。

 基本ユニットには、医薬品、医療用品、基本的な器材のほかに、十分なトレーニングを受けていない人でも環境の整っていない状況下で一般的な薬を提供したり、基礎保健活動に従事したりできるよう、治療ガイドラインが入っています。緊急事態の現場では、小規模な医療拠点があちこちに作られますが、そうした拠点で使いやすいようにキットは10分割することが可能で、1ユニットで1,000人分をまかなうことができます。基本ユニットには、12種類の必須医薬品が入っており、抗炎症剤、制酸剤、殺菌剤、経口補水塩、抗マラリア剤、基本抗生物質(肺炎球菌、Hインフルエンザウイルスなど、現地でよく見られ、急性の呼吸器感染症を引き起こす細菌に有効)、目の感染症のための軟膏などが含まれています。これだけの薬があれば、人びとがよくかかる病気の症状のほとんどを改善することができます(貧血、痛み、下痢、熱、呼吸器感染症、目や耳の感染症、はしか、皮膚の異常、寄生虫)。現場のスタッフが、注射薬を処方したり注射を行ったりする技術や知識を持たないことを考慮して、注射で投与する薬は含まれていません。基本キットにはこのほかに、脱脂綿や石鹸、包帯、体温計などの医療用品、保健カードや記録ノート、そして医療現場で清潔な水を得るための道具などが入っています。

 補助ユニットには、1万人の人口に対処できる医薬品と医療用品が入っており、設備のない、あるいは乏しい場所で入院患者のケアを行なうのが目的です。このユニットを使えるのは経験のある看護婦、助産婦、医療助手、医師たちなど専門家のみです。補助ユニットには基本ユニットよりも多くの種類の薬や点滴が入っており、麻酔剤、鎮痛剤、抗アレルギー剤、抗痙攣剤、抗生物質、心血管や皮膚、呼吸器、胃腸の薬、利尿剤などが含まれています。また医療用具には注射器、注射針、供給管、カテーテル、使用済み注射針を処分するためのセーフティボックス、縫合セット、それに出産セットなど助産婦用の品が含まれます。

 緊急保健キットには、結核などの伝染病用のワクチンや薬は含まれません。これらの薬を必要とする地域は限られているため、要請がありしだい発送する体制を取っています。

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