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財団法人日本ユニセフ協会




2001年9月28日

日本ユニセフ協会
アフガン難民の子どもと女性のためのユニセフの緊急援助に
50万米ドルを緊急拠出

 アメリカにおける同時多発テロと長引く干ばつによる影響を受け、アフガニスタンとその周辺国で安全と援助を求めている多数の国内避難民や難民の子どもと女性を支援するため、財団法人日本ユニセフ協会(本部:東京都港区、会長:澄田 智)は、50万米ドル(約6000万円)をユニセフ(国連児童基金)本部に拠出することを決定しました。尚、9月20日より受け付けを行っている「アフガン難民緊急募金」は、郵政事業庁のご協力により9月25日から郵便局での送金手数料が免除されています。皆様のご支援を宜しくお願い致します。

国内避難民は100万人以上に、うち20%が5歳未満の子ども

 長引く紛争や30年で最も深刻な干ばつ、アメリカにおけるテロ事件の影響を受け、現在アフガニスタンでは500万人の住民が緊急の人道援助を必要としており、うち380万人は食糧を国連機関からの援助に頼っています。安全を求めて故郷を捨て国境付近や農村部に向かう国内避難民の数はこれまでに100万人以上に達し、その20%が5歳未満の子どもと見られます。今後冬までに、人道援助を必要とする住民の数は750万人(うち70%が子どもと女性)に増加するとユニセフは予測しています。


周辺諸国に避難したアフガン難民に対するユニセフの緊急援助

 ユニセフは、アフガニスタンと国境を接するパキスタン、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンで予想される難民の急増に対応するため、国境近くに仮設事務所を設置して救援活動を強化する準備を進めています。 援助活動には、避難生活のためのテントや毛布、調理用具などの日用品が難民の家族に提供されるほか、安全な飲み水を確保するための浄水剤や飲料水ケースの配布、避難民キャンプ内での仮設トイレの設置、緊急保健セットや医薬品の提供を通じた保健・医療サービスの確保、教育セットの提供や教員の訓練を通じた教育の実施、心に傷を負った子どものための心理ケア、レクリエーション活動の実施などが含まれます。また、救援物資をアフガニスタン内外の避難民キャンプに迅速に運搬するため、仮設倉庫をパキスタンに2ヵ所、トルクメニスタンに1ヵ所設置します。

アフガン国内でのユニセフの支援活動

 国連機関による援助活動は障害を受けている中、アフガニスタン国内でのユニセフの援助活動は国内職員により困難な状況の下現在も継続されている事が確認されており、ユニセフはアフガン国内での活動を強化する準備を進めています。

◆保健
 ユニセフが確認したところによると、ポリオやはしかなどの予防接種は9月23日、多数のボランティアの参加を得て全国で実施され、56万人以上の子どもがこの日接種を受けました。

◆栄養
 食糧不足による子どもの栄養不良の増加に対応するため、ユニセフはパキスタン国境の町ぺシャワールにある倉庫から、栄養補助食、医薬品などの救援物資を運搬する準備を整えています。

◆水と衛生
 干ばつの影響が深刻なアフガニスタン南部及び西部地域の避難民キャンプでは、ユニセフのパートナーである地元NGOが、安全な飲み水の確保と衛生設備の設置などの支援活動を引き続き行っており、ユニセフは手押しポンプなど井戸やトイレ用の部品を調達し、ぺシャワールから運搬する用意を進めています。

◆子どもの保護
 アフガニスタンのヘラートやマザールにある避難民キャンプでは、国内避難民の子どものレクリエーション活動が現在も実施されています。

◆教育
 ユニセフの支援する初等教育プログラムも行われています。国内避難民の子どもを対象とした簡易学校開設を支援するため、教育資材900トンがぺシャワールからアフガニスタンに向けていつでも輸送できる体制にあります。

お問合せ:(財)日本ユニセフ協会
<報道>広報室 TEL:03-5789-2016  <一般>協力事業部 TEL:03-5789-2012