HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > アフガニスタン 2001/10/1
財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフ・アフガニスタン代表 エリック・ラロッシュ氏に聞く

イスラマバード、2001年10月1日(ユニセフ)

Q: アフガニスタンに残っているユニセフのアフガニスタン人スタッフのことが心配ですね?
A: ええ、とても心配しています。最後に電話で話したのが9月21日、金曜日のお昼ごろでした。その前日、通信機器や無線機などの使用を中止するようタリバンから命じられていました。さらにタリバンは、カブールにあるユニセフ事務所にやってきて、ITルームや電話、それに安全のためVHF無線機を搭載した車まで使用禁止にしたのです。もちろん、セキュリティの問題は以前から心配だったため、ここでは詳しく話せませんが、スタッフの安全を確保する手段はいろいろ講じていました。それでも通信手段を奪われたら、それも難しくなります。スタッフたちは、通信機器に指一本でも触れたらただちに処刑すると脅かされたそうです。

Q: ユニセフは、アフガニスタン人スタッフのアフガニスタン脱出を考えていますか?
A: アフガニスタン人スタッフとその家族の安全を守るため、さまざまな手段を講じていますが、それについてここで話すのは控えます。これまでは、アフガニスタン人スタッフが各種活動の遂行を続けても問題はないと判断していました。何しろ1週間前まで、外国人スタッフも現地にいたわけですから。我々が退去したのは、外国人スタッフの身の安全を今後保障できないし、そのつもりもないとタリバン当局から言われたためです。これでは留まることは不可能です。しかし一方で我々には実行すべきプログラムがあり、それに対しての責任があります。貧困と干ばつに苦しむアフガニスタンで、大きな危険にさらされている女性や子どもたちに何かできることはないか、我々は模索しなければなりません。彼らの置かれた状況は、1週間前よりさらに悪くなっています。貧困に加えて、予測もつかないスケールで新たに戦闘が始まるかもしれないからです。いまも新しい世代の子どもたちが心身に深い傷を抱えており、彼らはこれから多くの死や破壊を目の当たりにするでしょう。しかしアフガニスタン人スタッフも安全が脅されている現状では、各種活動への物理的な支援は中断せざるを得ません。

Q: ユニセフがアフガニスタンに戻るのはいつになりそうですか?
A: アフガニスタン人スタッフがいる以上、ユニセフは完全に退去したわけではありません。金曜日まで我々が支援していた予防接種キャンペーンでは、3〜4日間で500万人の子どもに予防接種をすることができました。ユニセフは1949年からアフガニスタンで活動しており、その間に数々の危機を経験してきました。現在も国連機関や実施機関と協力して計画を立てているところです。また物資の配備も行っており、許可がおりればすぐにトルクメニスタンに空輸できるよう、医薬品やテントなどの救援物資をコペンハーゲンに待機させています。またタジキスタンやイラン、パキスタン北部でも救援活動を行えないか可能性を探っているところで、場合によっては今日か明日にでも動きだすかもしれません。大切なのは、状況が許せばすぐアフガニスタンに戻れるよう、準備を整えておくことです。

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