HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > アフガニスタン 2001/10/19
財団法人日本ユニセフ協会




2001年10月19日

UNICEFアフガン緊急情報

 ユニセフ(国連児童基金)は10月12日までに、アフガニスタンとその周辺国に避難した子どもと女性に対する緊急援助のために国際社会に支援を要請している3600万ドル(約43億円)のうち、財団法人日本ユニセフ協会からの緊急拠出72万ドルを含む約1500万ドルを確保しました。しかし、依然2100万ドル(約25億円)が不足しており、冬の到来と予想される難民や国内避難民の増加に備えて援助活動を拡大するためにも一層の支援を必要としています。ユニセフ「アフガン難民緊急募金」にご協力をお願い致します。

子どもと女性に迫る危機
アフガニスタンでは、22年に及ぶ武力紛争と3年続きの干ばつが原因で、すでに530万人の住民が困難な状況下にある中、米国による軍事行動の影響から今後さらに220万人が安全を求めて避難を始めると予想されます。隣接する全ての国境が閉鎖される中、山を越えて隣国に避難する住民が後を絶たないほか、国内避難民の数の更なる増加も見込まれます。子どもや女性など特に弱い立場にある住民には、国境に到達することに困難が伴う場合が多く、適切な避難場所、安全な飲み水、保健などの社会サービスに欠いた中、国際的な支援を緊急に必要としています。ユニセフの調査では、アフガニスタンの半数以上の子どもが栄養不良にあり、迫りつつある厳しい冬を前に命の危険にさらされています。また、アフガニスタンの妊産婦死亡率は世界で最も高いレベルにあり、30分に1人の割合で出産時に女性が死亡しています。

アフガン国内避難民に対する緊急援助
 ユニセフは、アフガニスタン国内からの通信が制限されるなど活動の実施に障害が伴う中、パキスタンやイランなど周辺国のユニセフ事務所と、アフガニスタン国内に残る約70名のユニセフ・アフガン人スタッフが連携し、国内避難民のための緊急援助を継続しています。
10月13日、アフガニスタン北部の町マザリシャリフにユニセフのトラックが到着し、毛布1万枚、セーター1万着、子ども用の靴1万足が同地域の国内避難民の子どもに配布されました。また10月14日には、手押しポンプ450基と付属部品を積んだユニセフのトラック9台が、パキスタン・クエッタからアフガニスタンのカンダハルに向けて出発しました。物資はカンダハルから、ユニセフのパートナーである12のNGOの協力を得て、干ばつの被害の大きい南部地域の国内避難民キャンプに輸送され、子どもや女性など国内避難民が安全な飲み水を確保するために使用されます。デンマークにあるユニセフ物資集積センターからは随時、イランやトルクメニスタンなどの周辺国に、医薬品や緊急保健キット、教育セットなどの援助物資が空輸されています。

周辺国のアフガン難民に対する緊急援助
パキスタンにおいてユニセフは、今後予想される難民の増加に対応するため、国境周辺に援助物資を集め支援体制を強化しています。ペシャワールにはデンマークから37トン以上の援助物資が空輸されたほか、クエッタにも保健、栄養、水と衛生に関する援助物資が備蓄されています。援助物資は、手押しポンプ250基、はしかワクチン60万回分、ポリオワクチン220万回分、破傷風ワクチン30万回分などが含まれます。また、ユニセフはパキスタンやトルクメニスタンなど周辺国の国境近辺5ヶ所に倉庫を設置し、アフガニスタン内外の避難民キャンプに向けた援助物資の輸送を強化しています。

子どもたちは今、支援を必要としています
本格的な冬の到来が間近に迫る現在、ユニセフは毛布や防寒着、テント用プラスチックシートや暖房用燃料など、子どもと女性の生活に必要な物資の調達を大量かつ緊急に行う必要があります。保健サービスや栄養の確保、避難生活下における教育の推進のためにも国際社会からの迅速な支援を必要としています。皆様のご協力をお願い致します。