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財団法人日本ユニセフ協会




2001年11月20日

UNICEFアフガン緊急情報

概況

アフガニスタン北部のマザリシャリフや首都カブールなど主要都市からタリバーンが撤退、政治情勢が流動化する中、ユニセフ(国連児童基金)はアフガニスタン内外に避難している子どもと家族に対する人道援助を引き続き行っています。降雪が観測され、本格的な冬の到来を間近に控えた現在、アフガニスタン内で依然不足がちな援助物資の迅速な輸送を行うため、ユニセフはパキスタンやトルクメニスタンなど周辺国の臨時物資センターに援助物資を集積、陸路による物資輸送を進めています。また、ユニセフは周辺国に退避している国際職員のアフガニスタン帰還準備を進めており、すでに職員1名が11月6日から8日まで国連機関合同ミッションによる北部の町ファイザバードの視察を行いました。今後治安の回復とともに、随時国際職員をアフガニスタンに帰還させ、厳しい冬の間の避難民の子どもと家族の生活を守る人道援助を強化、拡大します。

アフガニスタンでのユニセフの活動

 9月27日から11月7日までに、ユニセフはデンマーク・コペンハーゲンのユニセフ物資センターからアフガン周辺国への援助物資の空輸を22回、周辺国からアフガニスタン国内に向けてトラックによる援助物資の輸送を44回行いました。これまでに、33万人の3ヵ月分の緊急保健セット、2万2000人分の緊急栄養食、毛布7万3000枚、セーター13万3000着、靴5万6000足、避難民9万人分のテント用シート、テント1800セット、飲料水ケース10万個、子どもの教育を確保する教育セット229セット、子どもの心のケアに欠かせないレクリエーションセット400セットなどの物資を輸送しました。また11月6日から8日にかけて、ユニセフはボランティア3万人の協力を得て、アフガニスタン国内540万人の子どもに対してポリオの予防接種とビタミンAの経口投与を実施しました。5歳未満の子どもの98%が対象になりました。

トラックによる援助物資のアフガン国内への輸送
11月16日現在
出発地 輸送回数 トラック数 物資量(t)
 イラン 3 18 79
 パキスタン 33 110 976
 トルクメニスタン 4 17 118
 タジキスタン 2 5 43
 ウズベキスタン 1 0 0
 アフガン国内 1 4 26
合計 44 154 1,242

周辺国でのユニセフの活動

◆パキスタン
 米国での同時多発テロ(9月11日)以降、パキスタンには新たに13万5000人のアフガン難民が流入したと見られます。ユニセフは、パキスタン北西部に新たに設置されたキリ・ファイゾ難民キャンプにテントや給水タンク、発電機等を提供し、難民の子ども809人にポリオの予防接種とビタミンAの投与を行いました。今後更に国境周辺地域に4つの難民キャンプの設置を進め、ユニセフはキャンプ内での給水、栄養事業において各援助機関の指導・調整的役割を担います。

◆イラン
 国境の閉鎖によりイランには新たな難民の流入は見られませんが、ユニセフはアフガン国内への物資輸送の拠点として国境周辺2ヵ所に臨時事務所を設けました。アフガン側国境の町マカキ周辺の避難民キャンプには国内避難民約7000人が生活しており、ユニセフはイランから援助物資の輸送を行っています。

◆その他
 トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンはアフガニスタンに向けた保健、教育、栄養、給水など様々な援助物資の輸送拠点となっています。アフガニスタン国内で子どものための「全国予防接種デー」を実施するため、ユニセフはこれらの国からポリオワクチン152万回接種分、保冷パック350個、ワクチンケース40個を同国内に輸送しました。ウズベキスタンではアフガン国境の開放に備えて、ユニセフは20万人分の援助物資を集積し、輸送準備を整えています。





アフガン難民緊急募金にご協力下さい
 11月13日時点でユニセフは緊急援助予算3600万ドル(約43億円)のうち約6割を確保しました。今後本格的な冬の到来を迎え、緊急援助からアフガニスタンでの復興支援のニーズが高まる中、ユニセフは国際社会からの一層の支援を必要としています。アフガン難民緊急募金にご協力をお願いします。