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財団法人日本ユニセフ協会




2002年2月18日

UNICEFアフガン緊急情報


−今、寒さが、飢えが、干ばつが、アフガンの子どもを襲う−


アフガニスタン概況

 厳しい冬の寒さに加え干ばつに苦しむアフガニスタンでは、現在も多くの人々が飢えや寒さのため死の恐怖ととなり合わせとなっています。特に、西部のバヂヒスでは5歳未満の子どもの12.5%が重度の栄養不足に苦しんでおり、その数は通常の6倍に高まっています。また、住民の約85%が農業に従事しているアフガニスタンでは、4年に渡る干ばつが日常生活に大きな影響を与えており、多くの人々が農村部から人道援助を求め都市部へと流入しています。また、パキスタンのチャ−マン近くの難民キャンプには、今年になってからも新たに約3万人が援助を求めて流入しました。周辺国の難民キャンプからアフガニスタンへ帰還した住民は14万3千人にのぼり、その多くが仕事を求めて帰ってきた男性で、難民キャンプや国内避難所にはいまだに多くの子どもや女性が人道援助を必要としています。ユニセフは、こうしたアフガニスタンの子どもと女性に支援を確実に届けるために継続的な活動を展開していきます。

ユニセフ活動最新情報
「学校に戻ろう(バック・トゥー・スクール)」事業−
 ユニセフはアフガニスタンの教育省と協力して「学校に戻ろう」と呼ばれるプロジェクトを開始し、3月23日の新学期から150万人の子どもが学校に戻れるように働きかけています。アフガニスタンの教育改善のため、国内外から専門家を教育省に呼び、各地域に調査チームを派遣して状況把握に努めています。また、ユニセフは子ども178万と教師6万人分の教育セットを調達しました。教育セットは子どもの教育レベルに応じて対応できるようになっており、柔軟性を兼ね備えたものです。今まで学校に行く機会がほとんどなかった子どもや、特に女の子が新学期からの授業に追いつけるように特別なクラスを設け、現在20の学校がすでに授業を始めています。教員を対象にした訓練も首都カブールやパキスタンのペシャワールで行われているほか、校舎の修復など新学期に向けて万全の体制を目指しています。

今後のアフガニスタンにおけるユニセフの活動
・ 全国規模で子どもに対しはしかの予防接種の実施
・ 「学校に戻ろう」事業の新学期に向けた準備
・ 西部バヂヒスにおける子どもの栄養改善、また全国各地で子どもの栄養改善事業の推進
・ 食糧、防寒着等、冬を越すため家族へ必需品の提供
・ 子どもの心理ケア、離れ離れになった家族の再会支援
・ 干ばつ対策、清潔な水の確保

笑顔を見せる子どもたち

引き続き皆様のご協力をお願いします
 多くの皆様の温かい支援を得て、ユニセフはアフガニスタンにおける保健、栄養、教育を中心に子どもと女性の状況改善に取り組んでいます。厳しい寒さと干ばつという厳しい気象条件やインフラの未整備など困難な中で、援助活動を実施しています。
東京で行われたアフガニスタン復興支援国際会議で、アフガニスタン暫定行政政権は各国政府、国連機関、NGO等の協力を受け、行政能力の強化、教育(特に女子)、保健・衛生、インフラの整備、経済システムの再建、農業および地方開発などの重要性を唱えました。今後もユニセフは子どもと女性の生活向上に焦点を当てた支援活動を継続します。アフガニスタンの将来を担う子ども達のために引き続きユニセフに対するご支援をお願いします。

お問合せ:財団法人日本ユニセフ協会 協力事業部 
TEL:03-5789-2012 FAX:03-5789-2032