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財団法人日本ユニセフ協会




2002年7月18日

UNICEFアフガン緊急情報

 アフガニスタン全土では、まだ何十万という家族が20年におよぶ内戦と旱ばつに苦しんでいます。こうした難しい状況にあっても難民の帰還は絶え間なく続き、国連難民高等弁務官事務所によると、今年の3月から現在までに、約113万人が国外からアフガニスタンに帰還しました。

ユニセフのアフガニスタン支援—日本が最も大きな貢献

 ユニセフは、アフガニスタンでの支援活動に必要な資金として、1億9,200万米ドルが必要であると国際社会に呼びかけていますが、現時点までに寄せられた拠出金はその62%、1億1,800万米ドルです。この中で、日本が最も大きな貢献をしています。教育事業予算の3分の2は日本政府と日本ユニセフ協会に寄せられた民間募金に支えられております。日本ユニセフ協会からの拠出金約15億円は、世界各国の民間部門での支援では最も多く、教育事業予算の35%を支えるなど、子どもと女性の重要課題とされている教育、母子保健、予防接種等の事業推進にあてられます。

拡大する教育支援

 5月からアフガン全土を対象におこなわれていた教育状況調査がほぼ終了しました。調査結果によると、今年3月までの「Back to Schoolキャンペーン第1期」とそれに続く活動によって、約300万人の子どもたちが学校に戻ることが出来たことが明らかになりました。これは、当初見込まれていた数のおよそ2倍にあたる数字で、急激に教育へのニーズが高まっていることを示しています。今後は、これらの子どもたちが途中で退学することなく勉強を続けていけるよう、教育スペースの確保や教材の不足を補っていく継続的な努力が必要です。ユニセフは、こうした子どもの教育ニーズ増大に応えるため、現在68校の校舎改修を支援しており、さらに小学生120万人分および中学生30万人分の学習教材を調達しました。また、2003年3月までに、さらに60万人の小学生および15万人の中学生のための教材を調達・配布する計画です。

高い妊産婦の死亡率

 ユニセフとアフガニスタン保健省が共同でおこなった妊産婦死亡率調査から、アフガニスタンの妊産婦の死亡率は、世界で最も高いといえるほど悪い状況にあることがわかりました。かなりの割合で、女性が妊娠および出産によって命を失っています。その多くは、出産時の出血や感染症等が原因です。ユニセフは、高い妊産婦死亡率を引き下げるための持続的な保健システムとして、主要都市4箇所に妊産婦ケアセンターを設置し、保健員に対して助産指導や妊産婦の健康管理についてのトレーニングをおこなうことを計画しています。妊産婦へのケアは、今後の重要課題の一つです。

 日本ユニセフ協会では、引き続きアフガニスタンへのご支援を受けつけています。