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財団法人日本ユニセフ協会




2002年9月4日

UNICEFアフガン緊急情報

アフガニスタンの教育事情—全国調査の結果が明らかに

アフガニスタン教育省がユニセフの支援を受けて実施した全国教育調査の結果がまとめられ、いくつもの重要な指標が明らかになりました。
img  3月23日の「Back to Schoolキャンペーン第1期」開始以来、学校やテントなどの学校外教室を含め6,784ヶ所の教育の場に合計2,906,000人の子どもたちが通えるようになりました。カブールでは45%、南部地域では2〜3%といった地域格差はあるものの、全体の約30%は女の子であることもわかりました。また、長期間学校が閉ざされていたため、現在就学児童の約半数が1年生のクラスで学んでいるという状況が明らかになり、今後の教育再建において重要なデータと位置付けられています。一方教師は、現在約73,000人(内28%が女性)、その内40,000人は、ユニセフが28の州で実施した訓練ワークショップに既に参加しています。参加した教師からの報告を元にワークショップの成果を分析し、将来的により質の高い教師訓練プログラムをつくりあげていく予定です。
さらに教育インフラについては、給水施設の整った学校は全体の半分以下、トイレが設置されている学校は4分の1ほどしかないなど、学校施設の破壊による傷跡が浮き彫りになりました。
 こうした新たなデータは、ユニセフにの支援計画に役立てられています。これまでにも、6000校分のテント、800万部の教科書、180万部の教師用指導書などを含めて子どもたち230万人分、教師3万人分の教育物資支援を行ってきました。今後進める「Back to Schoolキャンペーン第2期」では、さらに子ども120万人、教師2万5000人への教育物資支援を行う準備をしています。さらに、180校を対象に、給水設備や衛生設備を含めた校舎の整備を計画しています。

はしかの予防接種率、80%に

img  7月いっぱい続けられていたはしかの予防接種キャンペーンが終了し、6〜12歳の子どもの約80%にあたる800万人が予防接種を受けることが出来ました。また、同じく7月の下旬には、NGOや他国連機関との協力のもと2度目の全国ポリオ予防接種キャンペーンが、まだ危険度の高い南部、南東部および東部の66地域で実施されました。
 8月に入り、これらはしか・ポリオの予防接種キャンペーンの報告会がユニセフ、アフガニスタン保健省、WHO、その他協力団体によって開かれ、キャンペーン成果の評価をすると同時に年内の新たな行動計画が検討されました。

越冬への準備が進む

 同時多発テロ後の混乱から2度目の厳しい冬がもうすぐやってきます。ユニセフは、10月から本格的な越冬支援の準備に入ります。7月に北西部の都市へラートの一帯で行った調査をもとに、同地域では約15,000家族分の衣類やテント等必需品を配布する計画を立てており、また中部地域では、約9,000家族を対象に支援を行うため、NGO等との協力体制を強化しています。

日本ユニセフ協会では、引き続きアフガニスタンへのご支援を受けつけています。