ユニセフ
コートジボワール緊急支援
緊急要請額:932,709米ドル
【現況】
停戦状態にあった政府・反政府間の紛争再燃と反仏暴動によって混乱に陥ったコートジボワールでは、治安の悪化と不安定な情勢が子どもや女性に直接的な影響を与えています。最新の報告書によれば、暴動が起こってからおよそ5,000人(大半はコートジボワール人)がすでにリベリアへ流出しました。事態を重く見た国連安全保障理事会は、コートジボワールへの武器禁輸などを含む決議を採択し、すべての勢力に平和協議を始めるよう迫りました。
コートジボワールの北部では、水と電力の供給が中断されました。西部地域でも分散的な電力と水の供給が行われたにすぎません。電力と水の供給が安定しないことで、保健センターや病院の運営に支障をきたしているだけではなく、安全な飲み水が提供されないことは、コレラや下痢の蔓延など人々、特に子どもたちの健康を悪化させます。特筆すべきは、内戦の勃発前でさえ、コートジボワールの農村地域では35%の井戸ポンプしか機能していませんでした。また、西部地域ではその数は20%以下になっています。現在の状況が続けば、紛争の影響を受けた地域では水が原因の病気が増加するでしょう。
アビジャンでは、治安状況の悪化にともない現在学校が閉鎖されています。学校の閉鎖は子どもたちの発達に悪影響を及ぼし、また日常感覚や安心感の喪失につながります。さらにこうした紛争下においては、他でも見られるように女性と子どもに対する身体的なそして性的な暴力が増えています。
【これまでの活動】
こうした中ユニセフは、国連機関、国際NGO、地元NGO、他国際機関等と緊密に連携しながら、人道支援活動を行っています。それと並行して、コートジボワール周辺国の事務所(ガーナ、ブルキナファソ、マリ、ギニア、リベリア)は国境付近で状況をモニタリングしながら、国境を越えてくる難民に対しても支援ができるように準備を整えています。
ユニセフは、各勢力に対して、子どもの権利の保障を訴えるとともに、人道支援機関が最も困難な状況下にある人々に対してスムーズに支援を実施できるよう訴えています。また、コートジボワールの北部でも水や電力の提供が回復することが望まれています。
危機が勃発して以降、ユニセフは医薬品キットと必須医薬品を提供し、国際赤十を通じてすでに北部の68の保健センターに配布されました。ユニセフはまた、北部の国家公共衛生機関に、ワクチンを保存するための燃料を提供しました。しかし、ワクチン(はしかワクチン)のためのコールドチェーンを保持しておく燃料の供給は、十分ではなくなっているため、ワクチンの効力が失われる可能性が出てきています。
【緊急ニーズ】
ユニセフは、支援の初期段階であるこれから3ヶ月間の緊急物資の調達と人員の配備や活動にかかる費用として、932,709米ドル(約9,700万円)の支援を呼びかけています。
- 予防接種: 予防接種拡大キャンペーンのための6種ワクチン、破傷風と黄熱病のワクチン、使い捨て注射器、セーフティーボックスなど
- 水と公衆衛生: 経口補水塩、リンゲル液、浄水剤、折畳式タンク
- 栄養: 高カロリービスケット
- スタッフ増員: 治安担当官、物資調達官、緊急事態担当官、通信担当官、水と公衆衛生担当官の増員
- 活動運営: 燃料費、輸送費、パートナーの支援費
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